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女子サッカー選手考案メニューが学校給食、スタグルに VENTUSナポリタンの可能性 3月と4月の #女子サカマガ(無料記事) 

スポーツ×栄養 女子サッカー選手考案メニューで地域社会に貢献 

読者の皆さんは大宮の名物グルメ・大宮ナポリタンをご存知でしょうか。大宮アルディージャVENTUSが、大宮ナポリタンで新たな挑戦をしています。 

大宮ナポリタンは鉄道の街ならではのご当地グルメ 

かつて、大宮は鉄道の街として栄え、その周辺で働いていた鉄道員や工場マンがナポリタンをよく食べていたといわれます。そんなナポリタンを、ご当地グルメとして復活させたのが大宮ナポリタンです。色が、大宮アルディージャのチームカラーと同じオレンジというのも重要です。旧大宮市内に店舗があり、具材に埼玉県産野菜を1種類以上使うことが大宮ナポリタンに認定される条件で、現在、大宮ナポリタンMAPには認定48店舗が掲載されています。 

村上真帆選手と五嶋京香選手が駆けつけ用意した限定200食はあっという間に完売

大宮アルディージャVENTUSは、その大宮ナポリタンを通じてパフォーマンスアップや栄養管理への理解促進をはじめとした、地域社会に貢献する施策を実施しています。 

ご当地メニューに栄養管理の知見を付加しプロチームの機能を活用 

その一つが、NACK5スタジアム大宮でファン・サポーターにお披露目されました。「VENTUSナポリタン」の販売です。選手が考案し、さいたま市立大宮西中・宮前中で学校給食としても提供されたメニューです。通常のナポリタンとは一味違うクリーム風味で、麺はうどんを使用しています。埼玉県は全国で2番目にうどんの生産量が多い県だからです。地元女子プロチームのアスリートが考案したメニューということもあり、今後の学校給食での拡大展開、スタグルや来街者向けの商品化等を期待できます。 

この取り組みはeatas株式会社と行っています。令和5年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツオープンイノベーション推進事業(地域版SOIPの先進事例形成)」(主催:スポーツ庁、運営:株式会社eiicon、関東エリア地域パートナー:一般社団法人さいたまスポーツコミッション)に採択されています。 SOIPとは、スポーツ界と他産業界が連携することで新たなサービスが創出される社会の実現を目指すスポーツ政策です。 

選手のビジュアルが入ったパッケージも好評

人が集まるスタジアムだから簡単にできた試食調査 

試食サイズの販売は、女子プロサッカーチームの機能が存分に活用できる機会になりました。地元の大人たちが、自ら購入して試食し、アンケートに協力するのです。実は、これはすごいことです。 

通常であれば、試食調査の実施にはたくさんのスタッフや調査対象者の確保等、大変な手間がかかるのですが、スタジアムでは整理券配布があっという間に終わってしまう人気。迅速にアンケートの回収を行うことができるのです。 

しっかり味で具沢山。太麺の感触が気持ち良いナポリタン。麺は埼玉名物肉汁うどんで有名な有限会社翁の郷(蓮田市) 、ケチャップは埼玉県産の高橋ソース株式会社(本庄市)のものを使用

アンケート結果は、早速、翌日に開催されたスポーツによる共創を希望する参加者同士のネットワーキングを実現するイベント『SPORTS OPEN INNOVATION BUSINESS BUILD DEMODAY』で披露されています。 そして、審査員特別賞を受賞しました。審査員による「地域版SOIPの体現性」の審査項目の合計点がもっとも高いプロジェクトを表彰する賞です。

これから、各チームで同様の手法で、地域の健康に役立つメニュー開発ができるかもしれません。 

室伏広治さん(スポーツ庁長官)も出席した『SPORTS OPEN INNOVATION BUSINESS BUILD DEMODAY』 提供:株式会社eiicon

今月の #女子サカマガ を振り返る    

秋春制・冬の即戦力補強はWEリーグの勢力分布を変えるか!? 注目の9人 

秋春制のWEリーグはウィンターブレイクに有力選手が加入します。後半戦の流れを変える、大卒新人やシーズンを終えたばかりのなでしこリーグの主力選手を紹介しました。記事で紹介した選手のうち4人が、すでにWEリーグで得点しています。次から次へとスター候補が育ってきますね。 

「ベレーザらしさ」のゆくえ 海外移籍が活発化したWEリーグの曲がり角と、その先 

かつては無敵の強さを誇った日テレ・東京ヴェルディベレーザの直面する課題と変革の方向について取材しました。グローバル化、ボーダレスの波は、ここにも押し寄せています。多くの有力選手を世界的な強豪チームに供給する側になったことで何が起きたのかを探りました。主に囲み取材ですが、筆者が女子強化部長の竹本一彦さんに代表質問をしたので、聞きたいことは大体聞くことができました。 

WEリーグの国際女性デー ハードルを一気に下げた2024年 地域との関係強化に役立つ女子サッカーならではの取り組み 

毎年恒例になった国際女性デーの取り組み比較です。こうしたジェンダー面の取り組みに消極的なチームもありますが、取材してみると、集客やスタジアム確保にも有効に作用していることが感じられます。今シーズンはSNSで発信するチームが増えました。 

初めて明かす本当の移籍理由と葛藤 山口千尋選手はジェフユナイテッド市原・千葉レディースで躍動するサイドアタッカー

移籍の葛藤やプレーについて、以前から取材したいと考えていた選手です。取材が進むと、決断したかのように、全く予想していなかったお話が始まりました。かなり重大なお話だったので、取材の最後に「本当に記事に書いて良いのか」確認をしました。そして、掲載前に記事原稿を送付したのですが、修正箇所が一つもありませんでした。無事に掲載でき安堵しています。胸の内を明かしてくださった山口千尋選手の活躍を、さらに見守りたくなりました。 

なでしこジャパン 「悲壮感」からの脱出 長谷川唯選手(マンチェスター・シティ)試合中の微笑み写真について尋ねてみた  

予想を遥かに上回る閲覧数となった記事です。女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024最終予選の取材現場で「出場権を逃した場合」を想定した質問がとても多かったことに驚きました。そうした質問による記事を求めている読者が多く存在することは理解しているのですが……。そして、試合前から試合後まで、一貫して、そうした質問に距離をとっていた選手もいました。欧州に旅立つ直前に質問してみました。 

次月の #女子サカマガ をご紹介  

このような記事を予定しています。あなたの考えを裏付ける、生の最新情報をWE Love 女子サッカーマガジンで入手できます。来月もよろしくお願いします。 

・WEリーグの審判の現状
・三菱重工浦和レッズレディース強さの理由
・バルセロナでサッカーに関わる仕事をする女性の生き方
・WEリーグのパートナー企業になる理由と効果
「褒められて伸びてきた」登坂絵莉さん、岩渕真奈さん、穂積絵莉さん

昨年は放映権問題で話題となった2024シービリーブスカップについてもお伝えする予定です。 

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