WE Love 女子サッカーマガジン

秋春制・冬の即戦力補強はWEリーグの勢力分布を変えるか!? 注目の9人 

打倒INAC神戸レオネッサに向けチーム力の向上を図る 

2023−24 WEリーグは2024年3月2日(土)に再開します。よく「後半戦」と表現されますが、実際は22節のうち15節が残っています。 

ウィンターブレイクには、まとまったトレーニング期間があるため、じっくりとチームづくりをすることができます。戦術の徹底、フィジカルの鍛え直し……そして、新戦力を加え、どのチームも首位のINAC神戸レオネッサを追います。 

神谷千菜選手(東京NB)

海外移籍が活発化し変化する移籍のあり方 

4位からの巻き返しを図る日テレ・東京ヴェルディベレーザは2023プレナスなでしこリーグ1部最優秀選手の鈴木陽選手をオルカ鴨川FCから獲得、2023プレナスなでしこリーグ1部得点王の神谷千菜選手を朝日インテック・ラブリッジ名古屋から獲得。女子強化部長の竹本一彦さんは、その狙いを話しました。 

「フォワードの選手が海外移籍してしまったということもあり、その役割を埋める、下から上がってくる選手、プラス既存の選手たちの成長、それからやはり、即戦力が欲しかった。」 

海外移籍が活発化し、従来の方法だけでは、どのチームも簡単に穴を埋められなくなりました。日テレ・東京ヴェルディベレーザも、その例外ではありません。 

WE Love 女子サッカーマガジンは2024年3月1日に行われた新加入選手会見を取材しました。日テレ・東京ヴェルディベレーザの補強方針、鈴木選手と神谷選手の意気込み等をお伝えします。 

鈴木陽選手(東京NB)

では、まず、記事の前半で、WEリーグ全12チームの中から、注目の途中加入選手を紹介します。 

三菱重工浦和レッズレディース 

開幕時期に過密日程となった影響か、選手の怪我とコンディション不良に悩まされてきました。追い打ちをかけるように皇后杯JFA第45回全日本女子サッカー選手権大会で安藤梢選手と猶本光選手が戦線離脱。大きな穴を全選手で埋めなければなりません。幸い、世界で戦い実績を残してきた選手が加入しています。 

後藤若葉選手(早稲田大学から加入) 

日テレ・東京ヴェルディメニーナから早稲田大学に進んだ大器。アンダー年代の日本女子代表や大学サッカーだけではなく年齢制限のない大会でも活躍しました。第19回アジア競技大会(2022/杭州)で日本女子代表として朝鮮民主主義人民共和国(DPR KOREA)女子代表と対戦。センターバックでフル出場し、強力なDPR KOREA女子代表の攻撃陣を完封しています。テクニック、クレバーさ、力強さに加え、勝利への執着心も感じる選手です。 

森田美紗希選手(日体大SMG横浜から加入) 

大学女子サッカーの小さな巨人です。FIFA U-17女子ワールドカップ ウルグアイ2018をはじめアンダー年代の日本女子代表で活躍し実績十分のミッドフィルダー。俊敏性あふれるドリブルで対戦相手を混乱に陥れた上でスペースに出すパスが秀逸。2022年に脳挫傷で戦列を離れFIFAU-20女子ワールドカップ2022コスタリカのメンバーから外れる不運がありましたが、2023年は完全復帰。2023プレナスなでしこリーグ1部のベストイレブンに選ばれています。 

森田美紗希選手(浦和) 2023プレナスなでしこリーグ1部のベストイレブン表彰

ちふれASエルフェン埼玉  

順位は10位ですが失点数は3番目に少ない7。最終ラインに5枚の選手を並べた堅い守備が持ち味として浸透してきました。このチームでのワイドのポジションはロングカウンターに対応できるサイドアタッカーとしての俊敏性や走力のみならず、一対一に負けないデュエルの強さが求められます。 

栃谷美羽選手(山梨学院大学から加入) 

第32回全日本大学女子サッカー選手権大会(女子インカレ) で初優勝した山梨学院大学の中心選手。主に右サイドバックでプレーし、アーリークロスが持ち味。中盤でのプレーも可能です。あらゆるキックの精度が高くセットプレーも担当していました。ボールを置く位置が良いので状況判断が早く、守備のプレッシャーの強いWEリーグでも、すぐに持ち味を発揮できるかもしれません。 

ノジマステラ神奈川相模原 

前線からの守備が機能しない試合で攻め手に欠けるシーズンが2年に渡り続き監督解任となりました。ウィンターブレイクから小笠原唯志テクニカルダイレクターが監督代行を務めます。戦術変更と併せて現状を打破できる力を持つセンターフォワードタイプ2人を補強しました。 

大竹麻友選手(スフィーダ世田谷FCから加入) 

2022プレナスなでしこリーグ1部の最優秀選手賞に輝いた大型ストライカー。当時からWEリーグ入りへの迷いがありましたが、ついに決断しました。スフィーダ世田谷FCではサイドに流れ組み立てに参加してから前線に顔を出すプレーが目立ちました。2トップで本領を発揮します。相手ディフェンスとの駆け引きでシュートコースを創りゴールに流し込むイメージ。シュートの決定率は30%を超えたシーズンもあり高いです。 

皇后杯JFA第45回全日本女子サッカー選手権大会 で日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦済の大竹麻友選手(N相模原) Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

片山由菜選手(ニッパツ横浜FCシーガルズから加入) 

昨シーズンはニッパツ横浜FCシーガルズでエースナンバーの9番を背負ったストライカー。ポストプレーで強さを見せますが、一番の魅力は迷いなく蹴り込むダイナミックなシュートです。2023プレナスなでしこリーグ1部で得点王争いを演じました。昨シーズンに急成長した伸び盛りの21歳。 

片山由菜選手(N相模原) エース番号の背番号9を背負いニッパツ横浜FCシーガルズで活躍した

アルビレックス新潟レディース 

攻撃に人数をかけるアグレッシブなサッカーでファン・サポーターを魅了するシーズンとなっています。橋川和晃監督は運動量と強度を維持するためにも選手交代を積極的に活用する采配。ウィンターブレイクで加入した選手の出場機会も多くなるかもしれません。 

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