2024.03.06

初めて明かす本当の移籍理由と葛藤　山口千尋選手はジェフユナイテッド市原・千葉レディースで躍動するサイドアタッカー

2024年03月06日 7時40分　
カテゴリ：インタビュー • 選手インタビュー
タグ : WEリーグ • サンフレッチェ広島 • サンフレッチェ広島レジーナ • ジェフユナイテッド千葉 • ジェフユナイテッド市原・千葉レディース • なでしこリーグ • 女子サッカー • 愛媛ＦＣレディース

誰にも言えなかった移籍の真相。今、WEリーグでプレーするサッカーが楽しい

今シーズンからジェフユナイテッド市原・千葉レディースでプレーする山口千尋選手は、スペースを見つけて走り込むことが得意な選手です。ウィンターブレイクまでの７試合を全てスタメン出場しています。千葉での毎日は充実しています。

なぜ千葉への移籍を決断したのでしょうか。ウィンターブレイク中のトレーニングの後に単独取材を行いました。すると、これまで明かすことがなかった苦しい胸の内を明かしてくれました。これは、新たな決意の表明かもしれません。

ウィンターブレイク明けの第７節・ＡＣ長野パルセイロ・レディース戦でも奮闘した山口千尋選手（千葉Ｌ）　写真提供：WEリーグ

２０２０年になでしこチャレンジ・メンバーに選出されたポテンシャル

筆者が山口千尋選手を初めて見たのは、なでしこリーグ２部でプレーしていた２０１９年です。愛媛ＦＣレディース加入一年目から活躍し、なでしこリーグ２部の新人賞を受賞。優勝に貢献し、チームは１部昇格を果たしました。

その活躍は、なでしこジャパン（日本女子代表）の高倉麻子監督（当時）の目に留まり、翌２０２０年、なでしこチャレンジ（日本女子代表候補選手グループ）トレーニングキャンプのメンバーに選出されました。このとき、後に世界を舞台に戦う三宅史織選手（ＩＮＡＣ神戸レオネッサ）、北川ひかる選手（ＩＮＡＣ神戸レオネッサ）、長野風花選手（リバプール）、宮澤ひなた選手（マンチェスター・ユナイテッド）、浜野まいか選手（チェルシー）らが共に汗を流しました。

WEリーグ開幕に合わせWEリーグへ

飛躍のチャンスを掴んだ山口選手は２０２１年に移籍します。移籍先は愛媛から瀬戸内海を挟んだ反対側の広島をホームタウンとするサンフレッチェ広島レジーナです。WEリーグ参入が決まり、チームを立ち上げたばかりでした。

山口選手は２０２１－２２ＹｏｇｉｂｏＷＥリーグで２試合のスタメンを含む１２試合に出場。しかし、２０２２－２３ＹｏｇｉｂｏＷＥリーグは１試合も出場することができませんでした。

仲間と一緒にボールを追いかける山口千尋選手

悔しさに溢れた日々からの脱出

２０２３年６月に移籍を決断。サンフレッチェ広島レジーナが発表した山口選手の移籍コメントに気になるところがありました。

「広島に来て２年半、悔しさに溢れた日々でしたがそれ以上にたくさんの素敵なご縁に恵まれたこと、なにより感謝しています。幾度か心が折れそうになる中で、たくさんの人がいろんな形で何度も何度も掬い上げてくれました。」

今回の取材は、その謎解きです。まずは、今シーズン、ウィンターブレイクまでの試合を振り返っていただきました。

選手だけで話し合うことが頻繁にあるジェフユナイテッド市原・千葉レディースのトレーニング

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースではリーグ戦全試合にでスタメン

山口—当初の目標は「試合にコンスタントに絡むこと」でした。その点では、試合に出場する機会が多かったので良かったと思います。ただ、結果として目に見える数字になっていないので、ちょっと悔しい思いです。

—第７節を取材させていただきましたが、広大な範囲を一人でカバーされる活躍ぶりで、山口選手はジェフユナイテッド市原・千葉レディースの目指すサッカーにマッチしていると感じました。

山口—周りからも移籍の際に「ジェフは合っているっぽい」と結構言われました（笑）。移籍のお話いただいたときに、三上さん（監督）から「走る戦うというコンセプトを大切にしている」とお聞きしました。私に合っているかもしれない」と思っていました。実際にプレーしてみて、縦に速く、走力を大事にしていると感じました。