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【無料記事】祝優勝!WBCで感じた共通言語と野球文化

 

まずは侍JAPAN、WBC優勝おめでとうございます!久々に最初から最後まで野球観戦した試合でした。ここまでのWBC、1試合通じては見ておらず、場面場面や終盤のみテレビで見ていました。準決勝のメキシコ戦はダメかな~と思って見ていましたが、最終回でサヨナラ勝利!もうサポーター魂が沸々と湧いてきて、決勝戦はとにかく日本を応援しようと思って、ほぼほぼ正座して見ていました。最後の大谷のキレッキレのスライダーで三振で絶叫!スポーツの素晴らしさを感動してしまいました。

さて決勝ではありませんでしたが、とある場面での会話。

実況「外角低め、外に逃げるボールを流し打ち」
解説「スライダーですね。体は泳ぎながらも、うまく追っ付けましたね」

そこで素朴な質問。

妻「流し打ちって何?」
自分「引っ張らないで、センター返しでもない方向へ打つ事だよ」

妻「引っ張るって?」
自分「右バッターだと三塁方向へ左バッターだと一塁方向へ打つ事だよ。」

妻「右バッターなのになんで左側に立ってるの?」
自分「え〜と、ピッチャーから見ると右側だからじゃないかな?」

妻「じゃ体が泳ぐって?追っ付けるって?」
自分「体制が崩れながらって事で、追っ付けるは引っかけないで打つ事だよ」

妻「引っかけるって何?」
自分「無理して引っ張る事だよ」

妻「悪く聞こえるけど、ひっかけちゃダメなの?」
自分「ダメじゃないけど・・・」

そうだよな、確かに野球知らない人にとっては分からない言葉だよな・・・。私自身は小さな頃から野球をやっていて、少年時代は民放のゴールデンタイムでは当たり前に野球中継を見る事ができました。あまり記憶はないですが、少年野球の監督をしていた父親に言葉の意味を聞いていたんだろうなと思い返しています。小さな自慢話では、野球をやる為に甲子園出場歴のある高校に通っていました。かつてヤクルトスワローズにいた内藤尚行(ギャオス内藤)、中日ドラゴンズや東北楽天イーグルズで活躍した山崎武司とは一歳年上で対戦した事があります。高校生活最後の試合は中京高校(現中京大中京)。相手のキャプテンは後に読売ジャイアンツに入団した後藤孝志。私キャプテンだったので、先攻後攻を決めるジャンケンで後藤氏に勝ちました!そして相手ピッチャーは同じく後に読売ジャイアンツに入団した木村龍治で、3塁線を破る2塁打を打ちました!ただ思い切り振り遅れたのは内緒の話です(苦笑)また中日ドラゴンズにいた神野純一とは一つ年下で小学生時代によく対戦していました。高校の野球部の2つ下の平江巌は当時の近鉄バッファローズに指名されてプロに入りました。現役だとヤクルトスワローズの29番ライアン小川泰弘は高校の後輩に当たります。

まぁまぁ。そんな自分の昔話をしたいのではなく、これだけ野球の専門用語が定着していったのは凄い事だなと感じたからなのです。他に出てきた言葉としては

「歩かせて塁を埋める」「進塁打」「先発、中継ぎ、抑え」「釣り球で一球遊ぶ」「内角球は腕を畳んで腰を切って打つ」

妻曰く、言わんとすることは何となく分かるけど、具体的に何を指しているの?と思うようですね。ただこれらの言葉は野球をプレーしていた人はもちろん、野球のファンでも当然に分かる言葉。やっている方も見ている方も理解できる”共通言語”であると言えます。少し分析をしてみますと、やはり野球の歴史の長さと言って良いのかもしれません。まだテレビが普及する以前から、野球はラジオ中継が行われていました。その為、いかに日本語で分かり易く伝えようとしていた為に和製英語を含んだ、かみ砕いた言葉が一般的になっていったのかなと推測しています。野球中継は実況があって、そして解説がいるのがスタンダード。解説は元プロ野球選手が多いので、現役時代に現場で使っている言葉を使う事で、定着していったのではないかなと思います。いまでは多くのメジャーリーガーが出てきて、MLBを見る事ができたので、いろんな横文字を中心とした言葉が入ってきていますが、当時は”日本はベースボールではなく、野球だ”と言われたとか。ただその分長い間をかけて、日本国内で野球文化が醸成されていったのではないでしょうか。

フットサルに目を向けてみると、フットサル黎明期は主にブラジル由来の言葉を使っていた気がしますが、指導者養成システムは元フットサル日本代表監督であったスペイン出身のミゲル・ロドリゴが監修して作成された事もあり、スペインで使われている言葉や英語が使われる事が多くなりました。最近は「サイー」とか「ベッキ」という言葉があまり聞かなくなったのは、そんな影響でしょうか。ただ個人的な感想としては、「フットサルの用語はサッカーと違う部分もあるし難しいな・・・」と感じています。英語ならまだしもスペイン語関連だとあまり聞き覚えがない言葉が多いような気がしていて、簡単にイメージできない事が多いです。そこで日本独特の言葉で定着した言葉などをピックアップしてみたいと思います。

「ピヴォ当て」

ボールを攻撃の起点を作る役割の前線のピヴォへ長いグラウンダーの縦パスを入れる事を言います。浮いたパスを入れる事だとピヴォへ放り込む、ピヴォへ(パスを)入れるというのかもしれません。普通に縦パスで良いと思うのですが、フットサルだと普通に使われています。

「ファー詰め」

シュート性のパスをゴールのファーサイドでダイレクトで合わせるシュートの事。英語だとセカンドポスト、スペイン語だとセグンドパロと言うようです。

「トンパ」

トラップする際にボールアタックをすると見せかけて、トラップして方向転換をして一気に抜き去るプレーの事を言います。語源はリズムらしく、”トン”でトラップして、”パ”で縦に抜けるイメージらしく、このネーミング秀逸ですよね!噂によると、とある有名な指導者が名付けたとか!スペイン語ではコントラピエと言うようです。

「チョンドン」

主にキックインの際に足裏で軽く出したパスにシュートを打つ事。キッカーが足裏でチョンと出して、シューターがドンと打つ事から定着したと言われています。これスペイン語だとなんていうんですかね?

個人的にはこういった分かり易い言葉面白いなと思っています。英語やスペイン語で分かりづらい言葉を日本語特有の擬音語、擬態語にすると分かり易いですし、観客目線でも面白いと思います。やっぱり広く普及するには”分かり易い”、”イメージしやすい”というのは大切な事だと思います。

 

一方で指導者や選手は正しく定義された言葉を使う事の方が良いと言われています。上記のような広く知られている言葉は良いですが、そのチームや地域でしか通用しない言葉だと、選手や都道府県選抜、代表チーム、海外移籍等の際に戸惑ってしまう事になるかもしれません。特に定義づけという面では、一時期ボランチとジセーザの何が違うの?なんて事が話題になった事がありましたね。フットサルは指導者の交流が非常に密なので、新しい戦術やスペイン語が入ってきますので、すぐに共通言語ができるのではないかなと思います。その内、セットプレーは共通パターン化して、名前だけ変えるなんて事が起きるかもしれないですね。

ただそのまま共通言語が一般化していくのかは、野球の例を見ると、やはりメディアだったり、実況や解説の方々が分かり易い言葉で伝える事ができるかが大切なのかなと。そういう意味ではAbemaが全試合中継、そして実況と解説がいる事を考えれば、少しずつ一般化していくと良いなと思っています。私も記事を書きますし、実況をやらせていただく事もありますので、その辺りは心がけていきたいと思います。共通言語ができたり、言葉のバリエーションが増えるとフットサルが少しずつ定着してくるのかな・・・。とにもかくにも、侍JAPANおめでとう!そしていつかフットサルも世界一を!

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