WE Love 女子サッカーマガジン

WEリーグの選手名表記問題をどう考える? 1月と2月の #女子サカマガ(無料記事) 

1月の女子サッカーで何が話題になったのかを振り返ります 

ウィンターブレイクは移籍の季節。新しい仲間がチームに加わります。あの選手はどのようなプレーをするのだろう、どのようなキャラクターなのだろう……気になります。 

読めない!女子サッカー選手の選手名表記事情 

実況アナウンサーがポストした隠れた難読氏名 

長年、なでしこリーグの実況を担当し、今シーズンからWEリーグの実況も担当しているアナウンサーの西達彦さんが、気になるポストを行いました。2023プレナスなでしこリーグ1部で得点王に輝いた神谷千菜選手が朝日インテック・ラブリッジ名古屋から日テレ・東京ヴェルディベレーザに移籍したのです。 

神谷千菜選手の読み方は「かみや・ちな」選手ではなく「かみや・ちいな」選手だそうです。筆者が「だそうです」と書いた理由は、ひらがなで読み方を書いた公式資料を自分で見つけることができなかったからです。 

常に「yu問題」に悩まされてきたスタジアムDJ 

同じ日に國領浩子さんが「女子にしかないかと思ってたローマ字『yu問題』男子にもあったんだなぁ。」とポストしました。國領さんは大宮アルディージャVENTUSのスタジアムDJを務め、 NACK5スタジアム大宮等で選手紹介の名前を読み上げています。「yu問題」とはリーグ公式サイト等で表記される選手名の「yu」が「ゆ」なのか「ゆう」なのか、ローマ字表記を見ただけではわからないという問題です。 

二つのポストの理由は共通です。多くのファン・サポーターが閲覧する WEリーグの公式サイト、チームの公式サイト、スタジアムで配布される印刷物等、さらには関係者に配布される公式資料でも、女子サッカー選手の氏名にふりがなが表記されることはほとんどありません。大体において、読み方はローマ字を頼りにしなければならないからです。國領さんは、以前から、この「yu」問題を提起し続けてきました。 

声の仕事のプロフェッショナルである実況アナウンサーやスタジアムDJが読み方を確認できないだけではなく、子どもたちが選手の氏名を読む方法も限定されているのです。 

背中の選手名表記と大型ビジョンの選手名表記が一致しない 

WEリーグには、もう一つ、選手名表記に関して気になることがあります。それはユニフォームの背中の選手名表記です。チームによって差はありますが、ここに苗字ではなく名前、もしくは愛称を表記する選手が多く存在します。 

これは、選手がファン・サポーターから親しんでいただく、そして、ユニフォーム販売の売り上げに結びつけるには良い方法です。ただ、スタジアムでの観戦に限って考えると、観戦歴の浅いファンが、なかなか選手名と目の前の選手の姿を一致させにくいというデメリットがあります。特に、初めてスタジアムに足を運んだファンがスタンドから気になるプレーをする選手を見つけたとき、大型ビジョンの表記や手元の印刷物の表記と照らし合わせるのに余計な時間を要するのです。これを不親切に感じる声を観戦歴の浅いファンからよく聞きます。 

何が正解になるかは分かりませんが、WEリーグ全体でファミリー層を中心に新たなファンを獲得していく狙いを持っているのであれば、各チームは、観戦歴の浅いファンとのコミュニケーションを考慮した選手名表記を検討した方が良いかもしれません。 

ちょっとした気になる疑問が浮上するウィンターブレイク 

試合が行われないウィンターブレイクには、日頃はそれほど話題にならない、しかし、少し気になっていた出来事が話題として浮上してきます。WEリーグは、ウィンターブレイクを活用し、ここまでのテクニカル面の分析データや審判についても情報開示を進めていく予定です。 

今月の #女子サカマガ を振り返る  

WEリーグ・チームで導入 ファンクラブ・コミュニティの『ブタイウラ』 女子サッカーと「コミュニティの経済圏」が変わる驚きの未来像

ファンクラブ・コミュニティの最前線をレポートしました。従来のファンクラブと現在のファンクラブは、その位置付けも機能も全く違っています。実際にスタジアムでアプリを試していただき取材しました。これからもさらに進化していくでしょう。 

スポーツが「より速く、より高く、より強く」を求める限り男子との比較になる 女子Fリーグ・フウガドールすみだレディース取材から考える集客 女子サッカーと共通の課題 

女子フットサルの現場を取材。女子サッカーと共通する女性スポーツの課題について探りました。ハッとさせられたのは豊川季絵選手の「スポーツが『より速く、より高く、より強く』を求める限り男子との比較になるのは仕方ないですね。」というひと言。女性スポーツの関係者から豊川季絵選手をご紹介いただくご縁があり、以前に、一度お会いしていたことから取材が実現しました。 

女子サッカーの選手交代と選手層 2023−24 WEリーグ ウィンターブレイクまでの競技面を振り返る(後篇) 

選手交代について取材しました。以前から日本の女子サッカーでは選手交代が有効に機能していないと感じていました。なでしこジャパン(日本女子代表)の試合では、そのようなことを感じたことがありません。なぜなのか、その理由を調べていきました。各チームで選手交代の人数に違いが現れたところが特に面白かったです。 

WEリーグに「ヒト・モノ・カネ・情報」は集まるか? KPMGコンサルティングが「ソーシャルインパクトパートナー」に就任した狙いと女性活躍社会の可能性

パートナー企業の視線に合わせてみると、これまで見えてこなかった女子サッカーの価値を感じられるかもしれません。KPMGコンサルティング株式会社を訪ね、じっくりとお話をお聞きしました。ソーシャルイノベーションの祭典「SOCIAL INNOVATION WEEK2023」で髙田春奈さんと一緒に登壇された佐渡誠さんのお話が強く印象に残ったので取材の申し入れをしました。 

次月の #女子サカマガ をご紹介   

このような記事を予定しています。あなたの考えを裏付ける、生の最新情報をWE Love 女子サッカーマガジンで入手できます。来月もよろしくお願いします。 

・WEリーグの日程はどのように決まるのか
・WEリーグ チェア 髙田春奈さんとウィンターブレイクまでのWEリーグを振り返る
・新方式のWE ACTION DAY
・ウィンターブレイク降雪地域の実態
・伝説の北朝鮮女子代表戦とは何か 

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