WEリーグ・チームで導入 ファンクラブ・コミュニティの『ブタイウラ』 女子サッカーと「コミュニティの経済圏」が変わる驚きの未来像
WEリーグ・ノジマステラ神奈川相模原のサポーターズクラブから女子サッカーのファンクラブ・コミュニティが変わる
トイウェア株式会社は、 Fintech (金融機関とIT技術を合わせたサービス)とエンタメteckの2つの事業を軸にBtoB、BtoCサービスを提供している企業です。トイウェア株式会社の『ブタイウラ』は芸能人とファンの交流と共創を行うコミュニティサービスとして2020年2月に誕生しました。現在は、その機能を活用しスポーツチーム向けコミュニティとしてもサービスを提供しています。横浜FC、新潟アルビレックスBB(Bリーグ)、オール三菱ライオンズ(Xリーグ)等でファンクラブ・コミュニティのプラットフォームに採用されています。
今シーズンはノジマステラ神奈川相模原が『ブタイウラ』を採用しサポーターズクラブ組織と情報発信方法を一新。サポーターズクラブ機能をアプリ化しています。情報発信は無料会員の楽しめるコンテンツと有料会員( ROOSO/BLU の二つのメニュー )の楽しめるコンテンツに分かれています。まずは無料会員からスタートしていただくファン・サポーターもいるようです。
誰にどのようなメリットがあるサービスなのか?
『ブタイウラ』を導入して、サポーターズクラブはどのように変わったのでしょうか。導入したノジマステラ神奈川相模原には、どのようなメリットがあるのでしょうか。そして、ファン・サポーターにもメリットがあるのでしょうか。『ブタイウラ』を提供しているトイウェア株式会社 小丸未来 さんに、ファンクラブ・コミュニティの舞台裏をお聞きしました。小丸さんは「『ブタイウラ』の導入で、ノジマステラ神奈川相模原のご担当者様の熱量を、よりファン・サポーターに注ぐことができる」と言います。なぜなのでしょうか。
ノジマステラ神奈川相模原でファンクラブを担当する瀬古園子さんは『ブタイウラ』を導入した理由を次のように話しています。
「ノジマステラ神奈川相模原は『日本一輝くために、クラブを支えていただく』をサポーターズクラブの新たな定義としていたので、クラブと会員様、会員様同士のコミュニケーションをとれるサービスが必要不可欠でした。」
そして、すでに、その効果を実感できているようです。
「導入してからわかったのですが、会員様とアプリ上でコミュニケーションをとっていると、リアルでお会いしたときもコミュニケーションがとりやすくなります。そして、事務所での煩雑な作業が減少したので、リアルイベント等の企画をする時間を今まで以上に確保できるようになりました。『ブタイウラ』のご担当者様から適格なアドバイスをいただきながら、会員様がより参画しやすい、より楽しんで頂けるサポーターズクラブのコミュニティーづくりの努力をしています。これからも、常に、進化を続けていけると感じています。」
「安心して」が第一に書かれている導入メリット
サービスを提供しているトイウェア株式会社は『ブタイウラ』の導入メリットとして三つを挙げています。
①安心してファンと交流できる 一般的なSNSで問題になる「悪意のあるユーザ」がいないので、安心して発言・投稿できます!
②会費制 のプランで安定した活動費用を得られる 会費を設定することで、本当に応援してくれるファンに向けて、安定してコンテンツを発信できます!
③決済・顧客・コミュニティ管理をトータルでサポートしてもらえる 一人では難しい決済システム管理や顧客対応も、ブタイウラスタッフがサポート。幅広い活動が可能に!
最初に記載された項目のキーワードは「安心して」です。コロナ禍以降、リモートで芸能人やアスリートがファン・イベントを開催することが増えました。『ブタイウラ』を活用するファンクラブ・コミュニティは一部の情報を無料で閲覧することができますが、多くは会費の課金により閲覧や参加ができるようになっています。どうやら、これは課金により「利益を出す」というよりも「安心して楽しんでいただくために属性のわかる人が集まる場を用意する」という意味合いが強いようです。その辺りからお話をお聞きしました。
元々は芸能人のファンクラブ・コミュニティ向けに開発された『ブタイウラ』
小丸—今、SNSで芸能人がファンと距離の近いコミュニケーションをとると、どうしても「アンチ」のような人と遭遇してしまいます。そのため、芸能界には、ネット上で安心してファンとコミュニケーションをとれる場所が欲しいというニーズがありました。最低限の課金が「悪意のあるユーザ」の侵入を防ぐハードルとなります。
—そう考えると、このような課金コンテンツを軸としたファンクラブ・コミュニティは芸能人のみならず、スポーツチームの中でも女性の競技団体や女性アスリートと相性が良さそうですね。サービスの開発段階では予想できなかった訴求ポイントが見つかったりユーザから予想通りの評価を得られなかったりしたところはありましたか?
小丸— 『ブタイウラ』はブロックチェーン技術を使って開発しています。ですから、提供するコミュニティの中で共通の「通貨」みたいなものを発行できるようになっています。これにより、例えば、選手の応援歌をユーザと一緒に考え、ファンクラブ・コミュニティ内だけで利用できる「通貨」でファンクラブの運営側が応援歌の権利をユーザから購入できる、といった、これまでにない発想の使い方ができます。
しかし、こうした機能は、ファンクラブ・コミュニティ内でファンの熱量を上げてからでないと流通しないということが解ってきました。元々は、「通貨」を流通させる施策からコミュニティを作っていこうと考えていたのですが、やり方を変えました。このファンクラブ・コミュニティの熱量とエンゲージメントを高めてから「通貨」の流通を広めていこうと考えています。
—ファンクラブ・コミュニティの作り方の順序を変えたのですね。
小丸— そうです。僕たちの考えた構想を無理に進めるのではなく、ユーザメリットにつながる方法を選択したいと考えています。
エンターテイメント化を後押しするコインの発行
—ユーザの視点に立って着実にプロセスを踏んでらっしゃるイメージですね。『ブタイウラ』で組み立てたファンクラブ・コミュニティでは何をできるのでしょうか。ファンクラブ側が登録されたファンの情報を管理しやすいとか課金しやすいとか、それくらいの導入メリットはイメージできるのですが、なかなか全体像が掴めません。ノジマステラ神奈川相模原でどのように設計されているのかを教えてください。
小丸— ノジマステラ神奈川相模原様では、サポーターズクラブ限定のコインを発行しています。ファン・サポーターはコインを購入することもできるのですが、何かをすることで集めることもできます。コインが集まると、ファンクラブで販売しているグッズと交換ができるようになります。もしくはイベントの参加特典に活用いただけます。
コインの集め方にはいくつかの方法があります。試合に来場するこうして、サポーターズクラブとコインを使って施策やアトラクション全体を有機的に動かそうとしています。
—すごく面白いですね。昔ながらのファンクラブのイメージでは、ファンクラブは試合会場から独立した存在でした。『ブタイウラ』を活用すると、試合を見ることに加え、何かを買う、食べる、参加するといったアクションがつながっていくのですね。
小丸— 従来のファンクラブの多くは一方通行で、ファンに情報や特典を提供するだけの組織というところも珍しくありませんでした。『ブタイウラ』を導入したファンクラブは、アクションをつなげるだけではなく、ユーザからのフィードバックを得られたり、ユーザ同士が活発に交流したりすることも特徴です。アプリの中に、いくつものチャットグループが生まれ、いろいろな意見が上がってきています。そして、その書き込みに対してノジマステラ神奈川相模原様のご担当者がレスポンスしています。ファンの意見を収集する場にもなっています。
—今シーズンのノジマステラ神奈川相模原は、キッチンカーの台数や投下するアトラクション、それに体験イベントを増やしスタジアムのエンターテイメント化を進めています。参加されたファン・サポーターのアクションがコインとなって蓄積され、サポーターズクラブ内でつながり、評判や体験談がファンの交流で広がっていくと、また次のアクションをしたい気持ちを喚起する効果がありそうですね。
小丸— 今シーズンのノジマステラ神奈川相模原様はスタジアムでのエンターテイメントを充実してくださるので、連動してサポーターズクラブのコンテンツも充実していきます。
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