裏PANNA-FUTSAL

4か国トーナメント、欧州女王スペインに大金星!

4か国女子フットサルトーナメント最終日、ここまでポルトガル、ブラジルに惜敗を続けていた日本の相手はスペイン。スペインもブラジルに2-3、ポルトガルに1-22連敗しており、連敗同士の対戦、いわば裏天王山。過去の対戦成績は16敗と日本は分が悪いが、202212月のスペイン遠征では1戦目リードした展開からスペインのパワープレーで2-3と逆転負け、2戦目もパワープレーで追いつかれて3-3と良い戦いをしていた。実はこの4か国女子フットサルトーナメントに招待されたのはこのスペイン遠征での健闘から日本に白羽の矢が立ったという事も言われており、日本としても世界に食らいついていく為、また招待される為にも、是が非でも結果を残したい試合。

スペインは過去のWomen’s Futsal EUROでは連覇を果たしており、現時点の欧州の絶対女王。今回はアウェイでポルトガルに敗戦となったが、通算成績ではスペインに分がある。リーグではブラジル人、ポルトガル人などもプレーしており、日本からは現在代表に招集されている四井沙樹選手(Poio Pedcamar1部)の他にも吉林千景選手(Nueces Ronda AT.Torcal1部)、船附ひな子選手(AD Ceuta2部)と合計3人が所属している。

 

この日の先発GK1番井上選手、そして4番四井選手、7番追野選手、9番江川選手、10番網城選手の5名。フィールドプレーヤーは前々日のブラジル戦で多くの時間、同じセットで戦ったメンバー。立ち上がりから持ち前の積極的なプレッシングで守備をする日本に対してGKを使いながらプレス回避。同様に日本もGK1番井上選手を使ってスペインを回避する日本。そんな中、スペインのGKが前に位置している事を見逃さなかった1番井上選手が、フィールドから受けたバックパスを左足でスペインゴールを狙う。左足だった事もあり、虚を突かれたGKは必至のバックステップを行うがボールは弧を描いてゴールに吸い込まれていく。今大会日本は初めての先制点を奪い、意気上がる。この日は3セットを作って回していったが、どのセットも非常に良い入り。先制点の勢いもあったようだが、しっかりとプレスをかけて、ボールを奪ったら素早くカウンター。むしろ第1ピリオドは日本の方がチャンスが多かった印象もある。明らかにストレスを抱えているスペインはタイムアウトを取って改善を図るが、日本は集中した守備を続け、スペインに対抗。ポゼッションでもスペインと互角に渡り合い、決してひけをとっていない。うまく日本の良さがスペインに組み合わさった感がある第1ピリオドだった。

2ピリオドの先発も第1ピリオドと同じメンバー。立ち上がりも非常に日本のプレスが効いていて、非常に戦えているイメージで試合は展開。固定したセットメンバーを少し変更してきたが、日本は攻守のバランスは保ったまま。すると5:37に日本に追加点が生まれる。自陣でボールを奪った9番江川選手から10番網城選手へスルーパス。同時にパスを出した9番江川選手もファーサイドへサポートして数的優位を作りに行く。しかしここで10番網城選手はファーサイドにパスと見せかけてアウトサイドを使ったでテクニカルなシュートでゴールに流し込み、2-0とリードを広げる。ここでスペインは定位置攻撃をあきらめたのか、パワープレーを開始する。前述した202212月のスペイン遠征の時には日本は、このパワープレーでやられていただけに、日本にとっては嫌な展開。しかし日本はメンバーを絞ってパワープレーに対応。ディフェンスのラインを保ったままスライドを繰り返し、数的不利に対応する。決定機も作られるがGK1番井上選手のスーパーセーブ、そしてフィールドプレーヤーの体を張ったディフェンスで対応。むしろスペインの苛立つ様子も目立ってくる。途中スペインは一旦パワープレーを止めて定位置攻撃に変更する。日本はなかなかボールポゼッションの時間を作れないままだったが、守備の集中力は落ちない。スペインは再びパワープレーを開始。今度はパスを回すというよりブロックを使いながらシュートを狙ってくるが、ここも日本が集中した守備で対抗。途中GK1番井上選手がポストか床かに頭を打ち付けるアクシデントで、一旦退場。この緊迫した場面で2番須藤選手がピッチに送り込まれるが、ビッグセーブを見せて、更にベンチが盛り上がる。その後1番井上選手が復帰し、再びパワープレーを受けるが、集中力が切れてしまったのかスペインも決定機にシュートミスがあったりして、このままタイムアップ。日本は欧州女王のスペイン相手にアップセット達成!フル代表ではスペインに初勝利。今大会通算成績12敗の3位という成績に終わったが、世界に日本の力を示せた大会となったと言っても良い。

<寸評>

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