サッカーの羅針盤

もう”偽サイドバック”というワードは古い?マリノスと新潟に見る「イン&アウト」の関係を考える

欧州からポジショナルプレーの理論や5レーンをベースにした設計がJリーグに流入して数年が経ち、多かれ少なかれ取り入れるチームが増えてきました。J1では清水エスパルスや、浦和レッズ、昨年までリカルド監督が率いていた徳島ヴォルティスはもちろん、最近では柏レイソルにもこうしたベースが見られます。

もはやポジショナルプレーを導入しているかではなく、どう用いているのかが論点になってきています。例えば柏レイソルの場合はサイドバックがアウトサイドの高い位置を取ると、ボランチの選手がセンターバックとサイドバックの中間にポジションを取る形は昨年から見られましたが、現在の3バックでもそこの基本的なメカニズムは共通であるようです。

そうした流れの端緒として大きく話題を集めたのが”偽サイドバック”で、表記上のフォーメーションではサイドバックに位置する選手が、攻撃時に型通りのポジションにおさまらず、中盤付近まで流れて数的優位を作ったり、ビルドアップに関わる斬新な役割として注目を浴びました。

その象徴的な事例が2018年の横浜F・マリノスであり、アンジェ・ポステコグルー監督がアタッキングフットボールを掲げ、自分たちからボールを握って主導権を奪うスタイルの中で一世を風靡します。その年は最後まで残留争いを強いられましたが、さらにバージョンアップしたチームが2019シーズンのJ1を制したのは周知の通りです。

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