大卒進路としての女子サッカー なでしこリーグを選んだ選手たち
スフィーダ世田谷FCとニッパツ横浜FCシーガルズで活躍する大卒選手たちのなでしこリーグ選択理由
大卒一年目の選手が2024プレナスなでしこリーグ1部で活躍しています。「WEリーグのチームに加入できたのではないか?」と思える実力者もプレーしています。彼女たちは、なぜ、なでしこリーグを選択したのでしょうか。
徐々に出場時間を伸ばし活躍する金子麻優選手(S世田ヶ谷)
スフィーダ世田谷FCに新加入の金子麻優選手は第4節の後半に初めて出場のチャンスを得ました。対戦相手は、昨シーズンまでプレーしていた日体大SMG横浜でした。次の第5節、伊賀FCくノ一三重戦ではスタメン出場しハーフタイムまでプレー。第6節の愛媛FCレディース戦では82分までプレー。第7節のオルカ鴨川FC戦では10分に初得点しています。スタンドの鴨川サポーターが沈黙してしまうくらいインパクト十分なシュートでした。
「得点できたことは素直に嬉しいです。あれほど綺麗なシュートは本当に年に数回しかないですよ。」
スフィーダ世田谷FCから昨シーズン終了後に多くの選手がチームを去りました。今シーズンは激しいポジション争いが行われています。金子麻優選手の出場時間は長くなってきましたが、まだフル出場がありません。
「スフィーダは自分のプレースタイルに合っているチームです。どれだけ自分を出せるかで(活躍できるかどうかは)変わってくると思っています。もっとスタミナをつけて暴れたいですね。」
なでしこリーグ1部から社会人キャリアを積むメリットがある
スフィーダ世田谷FCの神川明彦監督は、大学女子サッカーで活躍した選手が卒業後にアマチュア契約でWEリーグ入りした場合、もし出場機会を得られなければもったいない時間を過ごすこともあると考えています。そのため、なでしこリーグでプレーすることは有意義だと捉えています。例えば、今シーズン途中で日テレ・東京ヴェルディベレーザへ移籍し活躍している神谷千菜選手は、大学を卒業後に朝日インテック・ラブリッジ名古屋に加入。森山泰行監督のもとで急成長し、2023プレナスなでしこリーグ1部の得点王となってからWEリーグへ羽ばたいていきました。
固定観念を取り払い楽しくプレーできている田村かのん選手(ニッパツ)
2024年5月4日に行われたニッパツ横浜FCシーガルズ戦でも、金子麻優選手は中盤でゲームを動かす役割を果たしました。試合後に神川監督に大卒選手のことを聞くと、金子選手のプレーぶりに加え、今シーズンからニッパツ横浜FCシーガルズでプレーする田村かのん選手の話題になりました。雰囲気が以前と変わったとのこと。おそらくチームで鍛えられているのだろうという見立てでした。
田村かのん選手は本当に変わったのでしょうか。ご本人に聞いてみました。田村かのん選手は、試合後のピッチで金子麻優選手と抱擁し「お互いに頑張ろう」と旧交を温めていました。日本体育大学では4年間、チームメイトでした。
試合に出たいという気持ちがすごく強い
「一年目から試合に絡みたいと思っていました。そのためには自分が変わらなければいけない。試合に出場するために頑張ろうと思いました。」
田村選手はしっかりとした口調で考えを表現できる選手です。おそらく、トレーニングでの努力の結果が、神川監督の目には「雰囲気が以前と変わった」と映ったのでしょう。気になるのは、どのようなマインドで挑戦しているかです。
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