川澄奈穂美選手の芸術弾 連戦・アルビレックス新潟レディースが逃げ切り勝利 ノジマステラ神奈川相模原は初勝利ならず #女子サカマガ WEリーグ ピックアップ(無料記事)
涙あり、笑顔あり、WEリーグでは異例の月7試合を終えアルビレックス新潟レディースに安堵の表情
2024年3月31日に行われた2023−24 WEリーグ 第13節は0−1でアルビレックス新潟レディースがノジマステラ神奈川相模原を下しました。唯一の得点は川澄奈穂美選手が相手ゴールキーパーの頭上を通す美しい軌道を描いた芸術弾。苦しい試合をものにしました。川澄選手は「ゴールキーパーが、ちょっと前にいることがわかったいたので、良いところに置いてコントロールシュートでゴールに入れようと思いました」と話します。
3日前の前節に三菱重工浦和レッズレディースとの大一番に敗れましたが、白星でリスタートを切ることができました。
推進力は出てきたがゴールが遠いノジマステラ神奈川相模原
ノジマステラ神奈川相模原の川島はるな選手は敗戦の悔しさを押し殺しながら、取材に応えました。
「100、150、200という節目の試合をこのクラブで重ねてきました。ピッチに立てたことへの感謝、応援してくださる皆さんへの感謝の気持ちが一番大きいです。ここ数試合、ずっと立ち上がりが良くて、ちょっとした隙を突かれた負けが続いていています。トレーニングからもっともっと厳しくやっていかなければいけないです。チーム全員でベクトル同じ方向に向け、ゴールを奪うことを意識した、点をとるためのサッカーをもっと突き詰めたいと思いました。」
連戦3月を5勝1敗1分けで乗り切ったアルビレックス新潟レディース
橋川和晃監督の涙の会見
では、アルビレックス新潟レディースが力の差を見せつけたかというと、そういう試合にはなりませんでした。
橋川和晃監督はスタンドに向けて「応援ありがとうございました!大変助かりました!」と叫び、深々と一礼した後、監督会見室に入ってきました。そして、涙を堪えながら、声を振り絞って話しました。
「選手素晴らしい魂のこもったゲームしてくれました。内容どうのこうのじゃないですよ。5試合連続でもうボロボロですよ。それでもやってくれた。戦術どうのこうのじゃないです。素晴らしい。また、この状況をマネジメントしてくれたスタッフにも感謝したいと思います。このタイトな日程の中、5試合全て『相手チームの分析』や『セットプレーの分析』『選手の組合せ』等を次節に向けて夜遅くまで対応してくれました。私は、選手とスタッフに恵まれていると思います。」
相手と戦う以前に疲労回復の戦いだった中2日
3月16日開催された第10節以来、中3日、中3日、中2日、中2日で試合を続けてきました。3月27日に行われた前節の後、新潟に帰らず、栃木県に宿泊しリカバリーして、この日に備えてきました。
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園田瑞貴選手は、攻守に献身的に戦い続け、この勝利の立役者となりました。
「連戦だったのですごく疲労があったのですが、前節、浦和に負けてしまって、ここから立て直して、絶対に勝たなければいけない状況だったので、とにかく勝利が欲しかったです。どんな点であろうと、勝ち切れたことがすごく良かったなと思います。
守っている時間が長かったこともあったので、とにかくレッズとの試合はすごく疲れました。自分なりに疲労をとるためのことをしっかりやって、この試合に臨めたので、90分間戦えた感じです。」
石田千尋選手は古巣との対戦になりました。
「いろいろな意味で、対戦をすごく楽しみにしていました。だからこそ絶対に負けたくなかったし、この気持ちはいつも以上に強かったです。」
持ち味の前で奪う思い切りの良さに加え、今シーズンに成長した、ボールを奪ってからの前に運ぶ力を随所に披露しました。
「チームとして(2日間に)できることはあまりありませんでした。浦和戦の翌日はリカバリー、昨日の練習は確認が中心です。でも、セットプレーや相手のやり方の確認はできました。」
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ギリギリの状況で、この連戦を戦い抜いてきました。体力的な問題も生じたのか、終盤はノジマステラ神奈川相模原からロングボールで攻勢をかけられ防戦一歩となりました。最後の一線を、なでしこジャパン(日本女子代表)でも活躍する平尾知佳選手が守り切りました。
「アウェイ、アウェイの5連戦はめちゃめちゃキツい状況でしたが、橋川監督から『頭だけは止めるな』とずっと言われ続けてきました。皆が良い声掛けをして、ラインアップの共通理解を持ってやっていたのが、失点ゼロで終われた要因だと思います。」
キラキラと輝いた3月を笑顔で終える
上尾野辺めぐみ選手は「皆の力で勝てた」と話します。最終ラインで奮闘した三浦紗津紀選手は、疲れを見せず前向きなコメントを残してくれました。アルビレックス新潟レディースはタイトル獲得を諦めません。
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「自分自身『チームのために』を強く意識してやれたので、チームとして強くなれた5連戦だったと思います。」
(2024年3月30日 石井和裕)