2024.02.20

WEリーグ再開３月２日（土）　日テレ・東京ヴェルディベレーザ浮上へ　山本柚月選手の使命と責任

2024年02月20日 7時45分　
カテゴリ：インタビュー • 選手インタビュー
タグ : ＮＧＵラブリッジ名古屋 • WEリーグ • アジアの女子サッカー • オルカ鴨川FC • なでしこリーグ • 女子サッカー

日本の女子サッカーをリードしてきた日テレ・東京ヴェルディベレーザの変化をキープレーヤーが語る

山本柚月選手はドリブルの駆け引きが面白い選手です。２０２３年１１月に行われた２０２３−２４ WEリーグキックオフカンファレンスでは日テレ・東京ヴェルディベレーザの代表として参加。すっかりチームの顔となりました。第１９回アジア競技大会（２０２２／杭州）日本女子代表でも活躍し優勝に貢献しています。

山本選手は、すでに、このチームの頼もしいリーダーの一人になっている……今回の取材を通して感じました。

山本柚月選手

ウィンターブレイク前はリーグ戦全試合に出場し３得点の活躍

２０２３年７月に小林里歌子選手が、９月に植木理子選手が海外クラブへ移籍しました。今シーズンの日テレ・東京ヴェルディベレーザは平均年齢が下がり、経験豊かなストライカーを欠く布陣で戦ってきました。山本選手は若い攻撃陣の主軸として開幕から第７節まで全試合に出場（うちスタメン６試合）。サイドでのプレーだけではなく中央にもポジションを移し奮闘してきました。昨シーズンは全２２節のうち１２試合の出場。その多くが途中出場で１得点に終わったことを考えると、今シーズンは開幕から獅子奮迅の活躍といえます。

スタートダッシュに成功するも第５節から苦戦し４位に

ただ、戦績は順調とはいえません。勝ち点１２の４位です。スタートダッシュに成功し開幕から第４節までで３勝１分けの勝ち点１０を積み上げましたが、第５節からブレーキがかかりました。相性の悪いちふれＡＳエルフェン埼玉との対戦がスコアレスドローに終わると、第６節のサンフレッチェ広島レジーナ戦では一瞬の隙を突かれて２−２で引き分け。ウィンターブレイク前最後の第７節は首位を走るＩＮＡＣ神戸レオネッサとの上位決戦。白熱の攻防の末９０分に失点し、悔しい０−１の敗戦。直近の３節で勝ち点を２しか積み上げることができていません。奪えた得点もわずかに２。ボールを支配しても得点に結びつかない、縦に急いだボールを奪われカウンターの逆襲を受けるプレーが強く印象に残っています。

山本柚月選手が２得点しジェフユナイテッド市原・千葉レディースを圧倒した第２節　写真提供：WEリーグ

巻き返しを図る日テレ・東京ヴェルディベレーザはウィンターブレイクに補強を行い、ファン・サポーターを驚かせました。２０２３プレナスなでしこリーグ１部最優秀選手の鈴木陽選手をオルカ鴨川ＦＣから獲得、２０２３プレナスなでしこリーグ１部得点王の神谷千菜選手を朝日インテック・ラブリッジ名古屋から獲得。どちらも、センターフォワードタイプです。

ウィンターブレイクに新加入の神谷千菜選手

新加入選手が前線の中央で起用されると、日テレ・東京ヴェルディベレーザの布陣は変わるかもしれません。トレーニングマッチで、いくつもの組み合わせをトライしてきました。

では、山本選手は、日テレ・東京ヴェルディベレーザ浮上のために、何が必要だと考えているのでしょうか。クラブハウスを訪ね聞いてみました。今回の取材は２月９日にヴェルディグラウンドで行われたトレーニングマッチの後に実施しました。

山本柚月選手

苦しい試合をどのように勝利に結びつけるか

—オフが明けトレーニングを再開した際に、松田岳夫監督からウィンターブレイクの間のテーマのようなものは示されましたか？

山本–２人の選手が加入したので、チームとして新たにチャレンジすることが増えました。その部分の話がありました。

新加入選手と一緒に創っていく

—トレーニングマッチでは、山本選手のサイドでの新しい役割も見られました。新加入選手が中央に入った場合に、どのようなプレーをしていきたいですか？

山本– 今までの試合では「ボールを保持しているけれど最後のところまで行かれない」のがチームの課題でした。新たな得点の手段を増やしたいと思います。（２人の選手は）練習でもシュートに対する意識、ゴールを奪おうという意識が高いと感じます。力強さも感じます。自分はクロスで２人を生かし、自分自身が「結果」に絡むプレーをしていきたいです。