明日への力を探して 愛媛FCレディースの新星が一矢報いる一発勝負 マイナビ仙台レディースが辛くも逃げ切る 皇后杯 JFA第45回全日本女子サッカー選手権大会
マイナビ仙台レディース2−1愛媛FCレディース
皇后杯 JFA第45回全日本女子サッカー選手権大会は5回戦。WEリーグの12チームが登場します。8試合のうち4試合は、4回戦を勝ち抜いてきたなでしこリーグ1部のチームの挑戦を受けます。2023年12月17日のカンセキスタジアムとちぎには、挑戦者としてスフィーダ世田谷FC(4位)と愛媛FCレディース(9位)が乗り込んできました。
マイナビ仙台レディースのプライドを賭けた戦い
愛媛FCレディースの注目選手は、2023プレナスなでしこリーグ1部 新人賞を獲得した新星・田子夏海選手です。卓越したボールコントロールとディフェンスラインの裏への抜け出しが魅力。現在、高校2年生の17歳です。後半から交代出場しました。
迎え撃つマイナビ仙台レディースは全員がプロ契約選手です( JFA・WEリーグ/なでしこリーグ特別指定選手、育成組織TOP可選手を除く)。しかし、愛媛FCレディースはボール保持時は前線に3人もしくは4人を並べる強気の布陣で前半の主導権を握りました。
「今日は、皆がプライドを賭けて戦ったと思います。」
勝利したマイナビ仙台レディースの須藤茂光監督は、試合後にいち早くミックスゾーンに現れマイナビ仙台レディースの選手たちの戦いぶりを話しました。52分にエースの廣澤真穂選手が先制。84分に田子選手に同点ゴールを奪われますが、すぐに87分にPKで田畑晴菜選手が突き放し、辛くも逃げ切り準々決勝進出です。
控え選手は4人の苦しい布陣
マイナビ仙台レディースの控え選手はゴールキーパー1人とフィールドプレーヤーが3人のみ。須藤監督は、苦しい布陣で臨んだことを明かしました。
「見ての通り15人しかいないです。怪我人が多い台所事情で、本来のポジションでないところで田畑選手にトライしてもらいましたが、田畑選手からチャンスが生まれました。前半の決定的なチャンスは止められましたが、得点に上手く絡んでくれたと思います。」
前半は愛媛FCレディースのアグレッシブなプレーにかなり苦労したマイナビ仙台レディースですが、後半は立ち上がりから攻勢に出ました。先制点は、右に流れた中島依美選手が関わり、ペナルティエリアに侵入した田畑選手がクロス。これを廣澤選手がヘディングシュート。クロスバーの跳ね返りを廣澤選手が自ら決めました。
中嶋選手がポジションを動かし右サイドから得点
ツートップの位置でプレーした中嶋選手は、後半に入ると中盤の底に下がるプレーやサイドに流れるプレーを増やしました。須藤監督は「あそこ(右サイド)フリーだからよく見とけよ」とアドバイスしたそうですが、渋く光ったのはベテランの味。特に何度か見せた、右の低い位置に入ることで、田畑選手のポジションを自然に前に押し出すポジショニングが試合を動かしました。中嶋選手は「流れで、あのポジションに入りました」と話します。隠れたファインプレーです。
倒された田畑選手が自らPKを決めた
殊勲の田畑選手はディフェンダーとしてプレーすることが多い選手です。今シーズンは開幕直前の第19回アジア競技大会(2022/杭州)決勝で右眼窩壁を骨折。ここまで、2023-24 WEリーグでは出場機会がありませんでした。しかし、この試合では攻撃的なポジションの右ミッドフィルダーで起用され、高い技術を披露。プレーの引き出しの多さをアピールしました。
「なかなかリーグ戦で出番がない中でもらったチャンスだったので、絶対に決めてやるという強い気持ちでプレーしました。自分たちはプロでやっているので、アマチュアの選手相手に絶対に負けられない気持ちがありました。」
勝ち切った経験が次につながる
「前半はボールを回す位置が低かったので、ハーフタイムにディフェンスラインをもう少し高い位置にしてボールを回そうと話していました。それが後半はできたと思います。
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