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女子サッカーチームが世界的ブランドから製品提供された理由 サステナビリティと『チャレンジ』の姿勢 ニッパツ横浜FCシーガルズの場合

気象庁が発表した夏の天候のまとめによると、2023年の夏の平均気温偏差は全国的に平年を大きく上回り、1898年から統計を開始した日本の平均気温偏差の過去最高を記録しました。日本は確実に暑くなっています。

人間の身体は、性別や年齢によって差はあるものの、体重の約60%が水からできています。中でも筋肉は特に水分が多く75%。つまり、筋肉や身体を正常に動かすために、正しい水分補給が必要です。 ※日本サッカー協会の選手・指導者向け情報より

ドイツ生まれの家庭用浄水器ブランドであるブリタは、製品の提供を通してニッパツ横浜FCシーガルズをサポートしています。ニッパツ横浜FCシーガルズの選手はピッチサイドで手軽に質の良い水分補給をできるようになりました。ブリタ製品を通して飲むことができるようになったのは、塩素や味に影響するその他物質などをろ過した安心で美味しい水です。なぜ、ニッパツ横浜FCシーガルズはブリタから製品の提供を受けることができたのでしょうか。

飲水タイムに水分補給するニッパツ横浜FCシーガルズ 提供:ブリタ T O P画像も

環境に優しく質の良い水を選手に提供したいという思いから始まった

斉藤織恵さんは2023年1月に、ニッパツ横浜FCシーガルズのゼネラルマネジャーに就任しました。女性の夢や生き方などの多様性を応援し、一人ひとりが輝ける社会の成長や発展に寄与することを目指し、女子サッカーの普及・強化に尽力しています。就任直後、シーズン開幕に向けて取り組む真冬の練習場で知ったことがあったと言います。

「就任後、初めて真冬の早朝にグラウンドへ出た際、凍ってしまうような水道水の蛇口から携帯用のボトルに水を詰めている選手たちを見て、衝撃が走ったのを覚えています。毎日の練習で約1リットル以上の水分補給が必要になるため、ペットボトルで考えると相当な量を買うことになります。これをなんとか質の良いお水で、なおかつ環境に優しいものに変えてあげたいと思い、ブリタさんへ声をかけさせていただいたのがきっかけです。」

激しくボールを奪い合う選手 Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

サッカー選手は大量に水を摂取します。大量のペットボトルを購入するとチームの経済的な負担は重くなります。それに加え、物理的に重たいペットボトルを運ぶ負担、飲み終わった後にラベルを剥がしペットボトルを集め運ぶスタッフの負担、発生する廃棄物を斉藤さんは無視することができませんでした。

B R I T A Japan株式会社の代表取締役社長を務めるマイケル・マギーさんは、斉藤さんからの問いかけに応えボトル型浄水器『アクティブ』を提供することを決めました。ピッチの上での水分補給にぴったりの製品だと思ったのです。 

「ボトル型浄水器『アクティブ』は、個人で簡単に持ち運びでき水道水を美味しく飲める製品です。しかも、ゴミが出ないという点でも優れています。試合後にゴミを片付ける手間がかかりませんし、環境にも優しい一石二鳥の製品です。」

ボトル型浄水器「アクティブ」はボトルタイプなので、水道水を注ぐだけで簡単に美味しく水を飲むことができます。多くの選手が必要とする水を、浄水器からボトルやタンクに注ぎ直す手間が不要で、かつ、プラスチック廃棄物や紙コップ等を削減することができます。

ボトル型浄水器「アクティブ」

実際に使ってみると、その簡単さに驚きます。軽量かつコンパクトで持ち運びに便利。出かける直前に水道水を注ぐだけで美味しい水を飲むことができるので、急な外出にも対応可能です。実はオフィスで使用される人も多いそうです。

サステナビリティを大切にするブリタ グループはサッカーとの関わりが深い

ブリタ グループは1966年にドイツで創業しました。世界的な販売活動を開始したのは1980年代。この分野では伝統ある企業です。飲料水の最適化と個別化におけるリーディングカンパニーの一つで、世界の浄水器市場で主導的な地位を築いています。日本では「おいしい水の浄水器」というブランド・イメージが浸透していますが、環境保全に積極的に取り組む企業グループとしても世界的に知られています。プラスチックごみ削減を始め環境保護に貢献する活動を展開しています。

「サステナビリティはブリタ グループのD N Aのようなもので、創業家のハンカンマー家にとって、とても大事なテーマです。事業のあらゆるところでサステナビリティに配慮しています。」

B R I T A Japan株式会社 代表取締役社長 マイケル・マギーさん

実は、ブリタ グループはサッカーとの関わりが深い企業グループです。ドイツ・ブンデスリーガ3部のS Vヴェーエン・ヴィースバーデンを長く支えています。そして、約1万3千人を収容するホームスタジアムの名称はブリタ・アレーナです。

「水をなりわいとしている会社なので、水分補給で人々をサポートしています。ですから、スポーツとの親和性はとても高いと思っています。特に日本の夏の試合は、かなり過酷な状況になります。試合に飲水タイムを採用しているのは、とても良いことだと思いました。健康を第一に試合運営に取り組んでいただけたらと思います。そして、私たちが日本のピッチ上でも役に立てることは本当に嬉しいです。」

選手たちに自宅でもこまめに水分を摂るように話している石田美穂子監督

石田美穂子監督の指揮するニッパツ横浜FCシーガルズは運動量の多さと高い強度を武器に、2023プレナスなでしこリーグに旋風を巻き起こしました。シーズン序盤は熾烈な優勝争いをリードし緊迫する試合が続きました。そのため、毎日のトレーニングの中で、水分補給の大切さを選手に伝え続けてきました。

「サッカーは全身を使いながら、考え、瞬時に判断するスポーツです。走るだけでなく、ボールを動かすこと、フィジカルコンタクト、身体をとにかく動かし続けます。それだけ動き続けるのですから、発汗量の多さを補う飲水は非常に大切なことです。夏場は特に脱水症状が起きやすいので、練習中でも飲水タイムを設け、こまめに水を摂るようにしています。冬場でも必ず水分補給を促します。次の日のコンディションにも影響を及ぼすので、選手たちには自宅でもこまめに水分を摂るように話しています。」

石田美穂子監督 Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

機能のみならずスタイリッシュなデザインも好評

「試合時には、チーム専用のボトルカバーのおかげで、冷たくておいしい水を飲むことができています。」と話したのは主将を務めた吉田凪沙選手です。

吉田凪沙選手 Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

ブリタは、猛暑の中で練習や試合をする選手やスタッフが少しでも冷たい水を飲めるよう、オリジナルのボトルカバーと保冷ケースも提供しました。きめ細やかな心遣いです。ボトルカバーはピッチに置いても目立つピンク。ゴールキーパーのシャツに近いカラーになりました。

オリジナルのボトルカバーと保冷ケース 提供:ブリタ

我々のブランドの価値観と女子サッカーには共通項が多い

マイケル・マギーさんは、女子サッカーにどのようなイメージを抱いているでしょうか。ここに、もう一つ、ニッパツ横浜FCシーガルズに製品を提供する理由が隠れているかもしれません。

「今、チャレンジの段階にある競技だというイメージを持っています。これまで、男性中心のスポーツだったものが、今度は女性も同じように活躍できる環境が整いつつあるということで、チャレンジ精神を持ってプレーに臨んでいる選手がすごくたくさんいる印象があります。ですから、女子サッカーをイメージするキーワードを挙げるとしたら『チャレンジ』です。

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