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守備の課題解決が攻撃力を高める 2023−24WEリーグカップ開幕前に会見 一つの方向に走り出した日テレ・東京ヴェルディベレーザ

「ワールドカップの悔しさはワールドカップでしか晴らせない」と話す植木理子選手が、スウェーデン女子代表戦以来、初めて練習でP Kを蹴りました。そのとき「めちゃくちゃ緊張した」という練習後、P Kについて話しました。

「これからやっていく中で、絶対に自分がPKを蹴る場面が絶対にあるので、そこで決めてチームの力になれるように切り替えていかなければならないし、もっと強くならなければならないと思います。『蹴る』と自分が言った以上は決めなければいけないと思うので、そういった責任をちゃんと持ちながらやれればと思います。」

無駄な失点を減らす

日テレ・東京ヴェルディベレーザは監督に松田岳夫さんを招聘しました。14年ぶりの復帰です。20238月26日(土)に開幕するWEリーグカップを前に記者会見を行いました。

監督を退任し監督兼任から女子強化部長の専任となった竹本一彦さんは、なでしこジャパン(日本女子代表)でFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023を戦った3選手が合流した現時点をこう話しました。3選手は、すでに実践的なトレーニングにも参加しています。

「ウチの選手にはテクニックがあります。それをどのようにして生かすのか、サッカーの戦術の原理原則を取り入れ、チームに落とし込むことをやってくれています。『勝ち切ること』に向けてスタートしており楽しみです。」

監督交代の理由の一つに、リスクマネジメントが不十分なことから生まれた無駄な失点を減らすことがあります。竹本さんは「前からの守備に傾倒しすぎたところがあった」と言います。このチームはテクニックに優れ戦う姿勢も十分です。でも、そこに加えて適切なプレー選択や駆け引きを身につけていく必要があるのです。

今シーズンのスローガンが「Brilliant」(ブリリアント)に決定。「強烈に光り輝く」という意味があります。

松田監督の復帰でワンランク上へのステップアップを目指す

今シーズンも主将を務めるのは村松智子選手です。

「『去年から何かを変える』というより『付け加える』とイメージを抱いています。

表情が緩む村松智子選手と松田岳夫監督

背番号10を背負う木下桃香選手は、クラブの軸は変わらないと考えています。

「クラブにある軸みたいなところ、ボールを握りながら試合を支配するのは誰が監督になっても変わらないと思います。」

そもそもで言えば、今の日テレ・東京ヴェルディベレーザの華麗なテクニックをベースにした攻撃的なサッカーの基礎を築いたのは若き日の竹本監督であり、飛躍的に発展させたのは澤穂希さんを擁し2005年から2008年に四連覇を達成した松田監督でした。

得点増の期待を背負う木下桃香選手

ポジション争いに挑む山本柚月選手

監督が変わればポジション争いは、これまでと状況が変わります。新たなチャンスが巡ってくる選手もいるはずです。山本柚月選手の昨シーズンは、わずかに1得点で終わりました。F I F A U-20女子ワールドカップ コスタリカ2022では藤野あおば選手と共に世界と戦い準優勝に貢献しました。決勝戦で対戦したU-20スペイン女子代表のエースだったサルマ・パラジュエロはFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023のノックアウトステージで大活躍しF I F Aヤングプレーヤー賞を獲得しています。世界一を賭けて戦った同世代の選手たちの活躍に何を感じて今シーズンに臨むのでしょうか。

「自分はF I F A U-20女子ワールドカップから帰ってきてから、(自分は)チームでポジションを確立できていないです。なでしこジャパン(日本女子代表)に入るための実力が足りていません。まず、このチームでポジションを獲得し、自信を持って、応援され選ばれるようにしていきたいです。前線のポジション争いが激しいので、個人としての結果を残して自分の立ち位置を示していきたいです。」

「日々の積み重ねが全て結果につながると感じる」という山本選手にとって大切な公式戦が始まります。

山本柚月選手

日本の女子サッカーを盛り上げるのはベレーザの使命 

松田監督は会見の冒頭で「このチームは全て勝つ、その意気込みでシーズンを戦っていきたいと思っています」と話しました。すでに要求を選手に伝えてあります。

植木理子選手は戦うことの大切さを感じています。トレーニングでは大きな声を出し、チームメイトに、よりこだわったプレーを要求しています。

頻繁い話し合いが行われるトレーニング

「戦うことを求められます。楽しみながらもハードワークすることを、今までのベレーザのサッカーにプラスできれば、そういうところは強いと思います。」

戦術も変わり、各選手の役割の幅も広がることが考えられます。

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