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ファン層とエンターテイメントから見える世界の女子サッカー FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023を楽しんだのは誰か?スタグルは?マスコットは?

オーストラリアで女子サッカーの大ブームを巻き起こし、世界が熱狂したFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023には誰が来ていたのでしょうか。準決勝と決勝戦では、女性の来場者が男性よりもやや多いように感じました。

スペイン女子代表サポーター

現地の客席に足を運んだ人は感じ取ったに違いないスタンドのファン層からFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023を振り返ってみましょう。まずは、4年前の決勝戦の振り返りからです。筆者はリヨンに赴きアメリカ女子代表の連覇を目撃。「世界最強アメリカ女子代表を応援していたのは誰か?誰のための代表チームなのか?」をnoteに記しました。要約すると、大きく4つのグループがいました。そして、1人で観戦している人は少なかった。特に、10代、20代の女性グループが目立ちました。

1 サッカーマニア

男性のみのグループか男女のグループ。アメリカではサッカーは人気スポーツ。男子のM L SJリーグより1試合あたりの観客数が多い。

2 ファミリー

女性を含むお子さんと両親。更には祖父も一緒という組み合わせが目立つ。母娘でサッカーをしている家族も多いようだ。アメリカにはサッカーマムという単語がある。娘をサッカーチームに所属させ教育熱心なアッパーミドル階級の母親のことだ。サッカー母娘の社会的ステータスは高い。

3 女性グループ

若い女性のグループが多いが、中年から高齢の女性グループも。チームメイトか一緒に応援する仲間。女性グループが早朝のリヨンの街をジョギングしている姿に何度も遭遇した。

4 少女たちのサッカーチーム

サッカーチームの選手たちと指導者が観戦している。少女時代から大西洋を渡って世界一を決める試合を観戦できる貴重な経験は、次の世代のアメリカ女子代表選手の誕生につながるだろう。

では、今大会はどうでしょう。決勝戦が行われたスタジアム・オーストラリアで観察してみました。

1 子どもを含むファミリー

今大会、最も目立ったのは子どもを含むファミリーです。しかも、子どもは女の子に限らない。家族のレジャーとして観戦を楽しんでいる人たちが圧倒的に多かったといえます。マチルダズ(オーストラリア女子代表)が登場した準決勝はもちろんですが、スペイン女子代表とイングランド女子代表の対戦となった決勝戦でも、両チームを応援するファミリーが多数。ちなみに、欧州からオーストラリアまでは空路で約30時間を要します。決勝戦当日のホテルには両チームを応援するためにシドニーにやってきたファミリーが大量にチェックインしていたので、かなりの人数がわざわざ欧州から駆けつけたのでしょう。

駅に到着したイングランド女子代表サポーター

オーストラリア女子代表のシャツを身につけたファミリーには特に多種多様な民族が見られました。中国語を話す人、韓国語を話す人もおり、多民族社会のオーストラリアを存分に感じます。

子どもを抱く人、若者、シニア……さまざまなファン・サポーターが集まる

驚くのは、ベビーカーを押したり、子どもを抱いたりして来場したファミリーが多く見られたことです。これまでのワールドカップでは、あまり見たことがないファミリー層でした。

ファミリーが多かったことにはチケット価格が安かったことが関係していると考えられます。グループステージのチケットは大人が20オーストラリアドル(約1千900円)、子どもが10オーストラリアドル(約950円)から購入できました。

イングランド女子代表を応援に来たちびっ子サポーター

2 グループ

4人組程度のグループも多く見られました。性別は男女混同もしくは女性のみ。男性の場合は2人組が見られましたが大人数のグループはほとんど見かけません。女性のグループは2人から大人数までさまざま。

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