諦めた監督と貫いた監督。浦和対横浜戦のピッチに描かれた別模様
日曜日に取材観戦したJリーグ第4節、浦和レッズ対横浜Fマリノスは、両軍が対照的な絵を描いた興味深い一戦だった。
3節終了時点で浦和は13位。横浜は16位。ともに白星がなく、スタートダッシュに失敗していた。共通項はそれだけではない。サッカーの中身も似通っていた。4-3-3をベースに両サイドを使い、支配率の高い攻撃的なサッカーを目指したものの、結果を出せずにいた両チーム。あるべき姿を披露し、片目を開けるのはどちらか。そうした意味でこの試合は注目に値した。
浦和と横浜。うまく行かない理由も似ていた。それぞれの1トップが1トップとしての適性に問題を抱えていることだ。浦和の興梠慎三はディフェンスを背にしたポストプレーが得意ではない。背も高くない。近くにサポートが欲しいタイプだが、4-3-3は、例えば4-2-3-1や浦和がミハイロ・ペトロビッチ監督時代に採用していた3-4-2-1に比べ、1トップとその他との距離が遠い布陣だ。4-3-3で1トップに最も近いのはインサイドハーフになるが、これは、4-2-3-1の1トップ下(3の真ん中)より離れている。同様に、3-4-2-1の2「ツーシャドー」より離れている。興梠にとって4-3-3の1トップは、得意とはいえないポジションになる。
代表チームに彼が呼ばれない理由も、ハリルホジッチが4-3-3を使用する頻度が増加していることと、少なからぬ関係がある。
興梠の身長は175センチ。対する横浜の1トップ、ウーゴ・ヴィエイラは178センチ(実際には、それぞれはもう少し小さく見えるが)だ。興梠より、ディフェンダーを背にするポストプレーでは若干、上回るが、空中戦は同レベルで期待できない。スケール感はいまひとつだ。巧みなトラップを駆使し、ペナルティエリア内で本領を発揮する抜け目のないフォワードではあるが、1トップとしては少しばかり頼りない。
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