裏PANNA-FUTSAL

【無料記事】女子フットサル公式戦のライブ配信やってみた!

 

今回東京都サッカー協会フットサル委員会と参加各チームの協力を得て、全日本女子フットサル選手権東京都大会全9試合のライブ配信を担当致しました。昨年同大会で初めてダイジェスト映像の作成実施を提案し、今回様々な方々のご協力のもとでダイジェスト作成をする事ができました。それを機に関東リーグ、東海リーグ、関西リーグの地域リーグでダイジェスト映像作成をさせていただき、更に全日本女子フットサル選手権関東大会、北信越大会、東海大会、関西大会と拡大する事ができました。その中でやはり試合にはドラマがあって、この試合を生で見られた事は本当に幸せだったという試合を何度も見る事ができました。ただ昨今の新型コロナ感染症の影響で現地観戦が叶わない地域も多く、メディアとして伝える側としては素晴らしい試合をどうやって伝えるかが課題でした。こんなに面白いスポーツの露出を増やす為にはやはり映像ではないか、ダイジェスト映像に加えてライブ配信の両方あるのがベターではないかと考えました。現在ダイジェスト作成については、様々な方々のご意見をいただきながら、協力していただく公式戦も増加し、徐々に浸透してきました。次のステップとして是非ライブ配信にチャレンジしてみたいとかねがね考えていました。その為、今回全日本女子フットサル選手権東京都大会を主催する東京都サッカー協会フットサル委員会に提案させていただき、昨年の実績もあった事で、実現にこぎつける事ができました。

 

現状国内の女子フットサルでライブ配信を行っているのは、日本女子フットサルリーグは以前はMycujoo(現ElevenSports)、そして2021-22シーズンからはのSPOZONE(現SPOTV NOW)が全試合ライブ配信しています。SPOTV NOWは現在メジャーリーグやプレミアリーグ等の配信権利も取得しており、配信というより中継と言っても良い、さすがのクオリティで快適な配信を見る事ができます。以前SPOZONE時代にインタビューを行った無料記事がありますので、是非ご覧ください。

【無料記事】SPOZONE独占インタビュー!「コール&レスポンスができる女子フットサルにはとても好感を持っています」

他にライブ配信を行っているのは、地域リーグの関東女子フットサルリーグが旧Mycujooで開始。名称こそ変更されましたが現在も同サービスの新名称ElevenSportsでライブ配信をしています。残念ながら現在地域リーグでライブ配信を行っているのは関東リーグだけのようです。残念ながら関東女子フットサルリーグ以外の地域リーグ戦においてライブ配信は行っていません。関東女子フットサルリーグではすでに配信3年目という事でかなり運用もこなれてきている感はあります。その為、当方による実況を提案し、全節とはいきませんが、日本女子フットサルリーグと日程が被らない限りは実況を行っています。

さて今回当方が全日本女子フットサル選手権東京都大会のライブ配信を行うに当たって、様々な配信プラットフォームを検討した上でYoutubeを選択しました。理由としては利用しているユーザーが圧倒的に多く、またPC、タブレット、スマホ、TVへのキャスト等、視聴方法が豊富である事が挙げられます。参考にさせていただいたのは「愛媛県フットサルライブ」というYoutubeチャンネル。これ見て以前から凄いな〜と思っていました。このクオリティはおそらく仕事で映像関係の仕事をされている方がいるのではないかと思います。何とかこんな事ができないかなと考えました。あれ?Youtubeってチャンネル登録1,000人いないとライブ配信できないんじゃなかったっけ?調べてみると1,000人登録が必要なのはスマホやタブレット等のモバイル機器からの配信であり、PCからであれば、配信は可能なのです。もう一つ大きな理由としてはYoutube配信方法の具体例が豊富にネット上に見つける事ができた事もありました。ググるのはもちろん、Youtubeる(ゆちゅぶる)と多くの情報が出てきました。そこで今回どんなソフトを使って機器を使ったのか、どんな回線を、どんなカメラを使用したのかを少し紹介させていただければと思います。

まずは回線について。会場の固定回線使用については、難しい事は分かっていましたので、モバイル回線を想定していました。そしてElevenSportsの配信についての情報の中で、やはりモバイル回線はdocomoが最強だという事を聞いていました。私は海外取材用にモバイルルーターを持っていて、国内でも6カ月20GBというような格安SIMを使用していました。格安SIMは”docomo回線使用”などと記載はありますが、あくまでMVNOでありdocomoの回線を借りているだけなので、本家のdocomo程、高速、安定している訳ではない事は過去のモバイル通信の利用状況から認識していました。しかし新たに配信用にdocomoを新規契約するには高額な固定費がかかります。安いプランのahamoはどうかな?au系のPovoだと固定費かからなくて良いかな等、いろいろ検討しました。そこで出した結論は「docomoの5G回線にプラン変更してテザリングで接続」でした。実は5Gのプランの中に”データ無制限”というギガホプレミアムというプランがありました。本当に無制限なの?1日何ギガまでとか制限あるんじゃないの?なんて思ってググってみましたが、制限されたという記事は見当たりませんでした。1日配信したとしても何百ギガなんて事はないでしょうし、想定しているデータ量を使った方のインプレッションをネットで読んだところ、問題なかったようでした。実際にドコモショップへ行って店員さんに話を聞いても、「その位のデータ量であれば問題なく使えるはずですよ」との話。そして5Gへのプラン変更しても現状の料金より安くなるという計算がはじき出されました。ちょうど携帯電話も購入してから時間も経過し、不具合も出ていたので、思い切って5G回線へ変更する事にしました。但し、5G用の端末は購入する必要があるので、その出費は致し方ありませんが、それでライブ配信用の回線が用意できると思い、購入&契約変更しました。

次にカメラですが、どうしても2カメでの配信をしたいと思っていました。フットサルはプレイングタイムです。現在関東女子フットサルリーグのElevenSportsでは、カウントアップされる時計なので、カウントダウンする事に慣れているフットサル観戦では、残りあと何分残っているかが分からない事にストレスを感じていました。そこで画面上に1つのカメラを直接ズームしてタイマーを撮影し、テレビで言うところの”ワイプ表示”する事で、問題解決できるのではないかと考えたからです。当方は古いSONYのHDR-PJ40という、もう10年以上前に発売された家庭用ビデオカメラを所持していました。1台はこのビデオカメラに、そしてもう1台はiPadを使用しました。

そして一番大事な配信用ソフトはOBS studioを使用。Youtube配信用にはこのソフトを使用している人が多く、多くの使用例がネットに多く掲載されており、OBS studioを専用に解説しているYoutubeチャンネルもありました。最初は2画面表示するには数万円以上するスイッチャーが必要なのかなとも考えていましたが、このOBS studioでほぼ代用が可能な事が分かり、更にPCでも録画できる事が分かり、冗長性も担保できる事からOBS studioだけ使用する事にしました。簡単に説明すると、ビデオキャプチャーを使用してビデオカメラ類とPCをUSB接続する事で映像を取り込み、その映像を自由にレイアウトして、更にマイクの接続も可能。そしてその合成された映像や音声をネットを通じてYoutubeへ送り込む事でライブ配信する事ができます。しかもこのOBS studio、なんと無料で使用する事が可能という夢のようなソフトで、しかも多機能。OBS studioの中の本当に必要な機能を絞り込んで、約一か月前から少しずつテストし、本番を迎えました。

実際にライブ配信の結果はどうだったかというと、うまくいった部分もありましたが、失敗してしまった部分もありました。ほぼ素人が一発で、しかもワンオペで万事OKなんてそんな簡単なものではないですよね・・・。

・iPadのズームがデジタルズームだったのでタイマーがぼやけてしまっていた。
・ビデオカメラの設定をご設定して時折横縞のノイズが入ってしまった。
・電波の影響で途中で配信が途切れて、急いで再作成しSNSで告知した。

なんとか全試合配信できましたし、概ねライブ配信の目的は達成できたのではないかと感じています。想定外に多くの方々に視聴いただき、本当に驚いたと共に、それだけライブ配信にはそれだけ需要があるのだなと実感した次第です。そして実施した事で、大きなノウハウを得る事ができ、次回への改善点も判明し、大きな第一歩になったと感じています。もしライブ配信をやってみたいというチーム、そして主催者の方がいれば、是非連絡ください。なるべく小規模でお金がかからないようにしてライブ配信する方法お伝えします。

そして以下にライブ配信した動画貼っておきます。ちょっとしたビデオカメラとPC、携帯電話があればこのくらいは行う事ができるという事例になればと思います。

 

最後になりましたが、今後開催される予定の某大会(公式戦)の実況付きライブ配信を当方で行う事になりました。現地の回線状況にいささか不安はありますが、経験して知見を活かして良好なライブ配信ができるよう頑張りたいと思います。その際は是非ご視聴ください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ