森マガ

なんであんなに焦ってたんだろう…宮市亮が気づいた「サッカーができる喜び」【サッカー、ときどきごはん】

本日、「J論プレミアム」さんに記事を一本公開していただきました。これも「個人スポンサー」のみなさま(記事の最後にお名前を挙げさせていただいています)、呼んでくださっているみなさま、そして書く場所を提供してくださっている中の人、また、今回の校正も厳しかった両角浩太郎さんのおかげです。本当にありがとうございます。

本日はこの方にお話を伺いました。

なんであんなに焦ってたんだろう…宮市亮が気づいた「サッカーができる喜び」【サッカー、ときどきごはん】

2012年、初めて日本代表に選ばれたときお話を伺いました。その当時の印象は「素直な言葉を口にする選手」でした。その後なかなかお会いすることができず、2022年7月、E-1選手権でやっと再び話をお聞きしたとき、そのものすごく謙虚な言葉に「これは大会後にじっくりインタビューしたい」と思っておりました。

みなさんご存じのとおり、そのE-1選手権で宮市亮選手は大ケガを負います。そして復帰のタイミングでやっと念願のインタビューが叶いました。

とにかく明るい!! すごく健全な魂に触れた気がします。内容は宮市選手しか口にできないことでしょう。ややもすると暗く始まってもいいような話を、笑いながら話す姿は、これはもう人間のスケール感が違うというか、くぐってきた修羅場がもう自分のレベルとははるかに違うというか。

ずっと書き留めておきたい言葉もたくさんありました。苦しいときに勇気をくれる言葉でした。ご高覧いただければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。

 

ところで、6月10日、宮市選手が今季初ゴールを4-3の決勝点という形で取りました。その後の囲み取材の模様を付け加えておきます。

——初ゴール、いかがでしたか

いや、なんかこう、なんですかね、ほんと嬉しかった……嬉しかったですし、でも、ほんとに、なんかこう、いろんな人の思いが乗ったゴールだったなっていう、だからこそ、入ったなっていう感じでした。

——コロコロ転がっていく数秒は

いや、なんかすごい、時が止まったような、もう入ってくれっていう思いで。でも、すごい回転かかってたんで、もう僕の力じゃ絶対どうしようもないぐらいの回転かかってたんで、やっぱり、それはほんとに、なんかみなさんのポジティブなエネルギーというか、そういうものが乗っかって、なんかゴールに入ったのかなというふうに思います

——ゴールの後は

そうですね、ほんとに、このリハビリの期間がすごく走馬灯のようにというか、フラッシュバックする感じでしたけど、ゴールを決めた喜びというよりも、やっぱりサポーターが喜んでくれてる姿とか、チームメイトとかスタッフが駆け寄ってくれた時の、あの感じっていうのが、すごく嬉しかったです。

——マルコスからパスが来ました

そうですね。彼自身もすごい自分にボールを預けてくれてましたし、試合終わってからも「よく決めてくれたな」っていう会話はしました。

——VARで待ってる時の気持ちはどうでしたか。

まあ、正直めちゃめちゃそわそわしてましたね。はい。でも本当に決まってよかったですし、何より、自分のゴールというよりも、チームが勝てたことが本当に良かったです。

——今回のゴールで改めてなんかサッカーの素晴らしさを感じた部分は

やっぱり現役を続けてきよかったなって思いましたし、さっきも言いましたけど、サポーターが、今日もたくさん来ていただいて喜んでくれる、スタッフがいつもサポートして、自分のゴールで喜んでくれる、そういう誰かを喜ばせることができる1ゴールで。そういう職業ってほんとにいいなっていうのは思いましたし、まだまだ、こういった機会を何度も何度も続けていきたいなっていうふうに思います。

——試合後はレイソルのサポーターも拍手してくれていました。

レイソルもほんとにいい戦いしてきましたし、自分たちも危ないところもありましたけど、なんとか、ほんとに、みんなの諦めない気持ちっていうものが、最後上回ったのかなっていうふうに思います。

——相馬灯のようにっていう先ほどの話で、1番思い出されたことは

僕、リハビリ中でここを利用することが多くて、観客がいない日産スタジアムの階段を登り降り何度もしてたり、そういうところが、景色が変わったというか、お客さんがたくさんいて、ゴールが決めて、なんかそのシーンが浮かんできたというか。

——ゴールが正式に決まった時に、泣いてらっしゃるようにも見えたんですが

どうですかね。なんかすごい感情的にもなってたんで、でも、何よりチームが勝てたことが、あれでホント入ってなかったら、引き分けだったので、やっぱこの勝ち点3というのは、今後シーズンにおいて大事になってくると思うので、ただ、まだまだシーズン途中なので、しっかり切り替えて頑張っていきたいと思います。

——コンディションの現状の段階は

本当にチームもすごく気を使ってもらってるというか、出場時間もすごく調整してくれてますし、トレーニングの負荷だったり、そういうことはヨーロッパにいた時は今までなかったので、すごく。もちろんサッカー選手として長い時間プレーしないといけないところはありますけれども、そこを配慮して、チームが、自分が1番いい状態に持ってこれるようにしてくれてるので、そこは感謝してますし、それがこういい形で、徐々に徐々に積み上がっているのかなっていうのは思います。

——追いついた後に満足せずにもう1点取りに行きましたね

やっぱりここが僕たちの強さというか、絶対最後の最後まで何が起こるかわからない、何かを起こせるって心底信じてるみんなが、そこの強さが出た試合だったのかなっていうのは思います。

——監督とも抱き合ってましたけど、どんな言葉をかけられましたか

いやもうほんとに、あの「改めておかえり」っていう強い言葉をかけてもらいました。はい。

——投入される直前は

ゲームの流れを変えてほしいっていうところで、まだまだチャンスあるから行ってこいっていうことも言われましたし、まあ、水沼選手と最近一緒に入ることが多いんですけど、絶対試合を変えようっていうところで、水沼選手も素晴らしいアシストで貢献してくれましたし、流れを変える選手というか、流れを変えることができて、本当によかったです。

——シュート打つ瞬間は何を考えていましたか

いや。もう何も考えてなかったですね。もうただ足を振って入ってほしいっていう。時間帯も時間帯でしたし。ただ、ほんとに、なんかあの瞬間、多分もういろんな人の思いが乗っかってくれてゴールに入ったのかなっていうふうに、もうみなさんに感謝したいです。

——立田選手の退場につながったのは宮市選手が振り切ろうとしたからでした。あれで流れが変わりましたか

そうですね。まあもうホントに流れを変えようと思って入ったので、信じる力というか、もうほんと、みんなが信じて勝ち、勝利に向かっていった結果がホントに勝利につながったので、それがもう何よりです。

——今回のゴールは人生の中でどれくらい印象に残りますか

そうですね、どのゴールも僕にとって大事ですけど、このゴールもホントに一生忘れることはないゴールだと思います。はい。

——後半戦、個人的にどんなものにしたいですか。

もう個人的にはほんとにあまり先を見ずに、1日1日大切にして、もう離脱することがないように、自分のケアをまず第一に考えてやっていきたいと思います。

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