森マガ

03月21日 朝鮮民主主義人民共和国戦の試合後会見(田中碧・森保一監督)

日本代表は21日の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)戦に1-0で勝利を収めました。そのMVPになった田中碧と森保一監督の記者会見です。

 

【田中碧】

——勝利おめでとうございます。田中選手にとってもアジアカップを開けての久々の代表戦ということもあったかと思うんですけども、どういう意気込みで臨んでいたか。そしてあと、ゴールの頻度も高いですけども、そのゴールへの思い、今日どういう気持ちで臨んでいたか。その2点を教えてください。

そうですね。やっぱりサッカー選手である以上、代表もそうですし、クラブもそうですし、勝つことが求められますし、特に代表に関して言えば、アジアカップで勝てなかったっていうのもありますし、そういう意味では、またワールドカップまでのリスタートっていう意味ではすごく大事ですし、自分たちが2次予選突破するためにも、この2試合で2勝することで決めることができるので、そういう意味ではホームで6万人のサポーターの皆さんの前でやれるっていう意味では必ず勝ちたかった試合ですし、個人としてもゴールという結果を残したのは良かったかなと思います。

【森保監督】

前半開始早々に得点を奪ったことが、まずは試合を勝ち切る上では非常に大きかったかなと思います。選手たちが入りの部分から、やはり自分たちが積極的に戦っていこうという思いを持って、試合の入りで、相手のゴールに向かって、というプレーの選択がコールに繋がったかなと思っています。

その後、なかなか追加点を奪えずという厳しい展開の中、特に後半は相手がシンプルにパワーをかけて攻めてくるところで苦戦する流れではありましたが、厳しい押し込まれた戦いの中でも粘り強く無失点に抑えながら、そこでもう1回流れを引き込んでいこうというところが、選手たちの勝ちたいという気持ちと、粘り強く最後まで戦うという気持ちが勝利に結びついたのかなと思っています。

また、この試合においては、アジアカップで悔しい結果になったことを受けて、我々が過去の課題を踏まえて戦いに臨むといった部分でも、苦しい時間帯を耐えてカウンター攻撃も仕掛けられましたし、そういう厳しい戦いをものにするという部分、選手たちはもう1回自信になるような戦いができたかなと思っています。できれば追加点を奪うという、さらにしたかに試合巧者として結果をつかみ取れるように、今後また成長できるようにしていきたいなと思っています。以上です。

——後半30分ぐらいの交代で、谷口選手と橋岡選手と浅野選手を入れて5バック気味にしたのかなと思いました。どういった意図でそのような交代にしたのか教えてください

そうですね、相手に押し込まれる、圧力を受ける展開になっていましたので。で、さらに押し込まれる展開になってはいけないということで、フレッシュな選手を投入しようということと、守備を安定させて、その上でカウンター攻撃を仕掛けると。相手が出てきてるところにスピードのある浅野を投入することによって、変えながらも攻撃を仕掛けていくという狙いを持って投入しました。

——26日に平壌で試合ができなくなったということを先ほど田嶋幸三会長が明言されていました。かなり突然のことだと思いますが、それについて受け止めというか、どのようなことを思われたか。

すべて決定したことに我々は最善の準備をするだけですので、現実を受け止めて、今後どういう展開になるかわからないですけど、まずは疲労が溜まってる選手、プレーした選手のリカバリーと、次の試合に向けてどうなるか、どこでやるかっていうのはわかりませんけど、コンディションをしっかりと上げていくということを、与えられた時間の中、あとどこでできるかわかりませんけど、与えられた環境の中でリカバリーと次に向けてのコンディションを上げるということを、現実を踏まえた上でやっていきたいと思っています。ありがとうございます。

——日本代表のビルドアップについてです。時折なんですけど、4バックが低い位置で横に広がって、サイドバックがどちらかというとタッチ際に時があって、それでちょっとパスコースがなくなりかけたり、相手のプレスをもろに浴びかけたりっていうのがあったように見受けられました。これに関して監督は何か意図があってもうこれで良しと思ってらしたのか、また別になんか違う理想的な配置があったのかっていうのをちょっとお伺いしたいんですけど、どうお感じになられたかをちょっとお聞きしたいです。

質問してもいいですか。以前の戦術的なところと今日やったことの違いはわかりますか。

——ビルドアップについてちょっとそこも含めてお伺いしたいんですけど。

わかりました。そうですね、幅を持ってというのは、4人で68メートルの幅を持ってボールを動かすということで、受け取り方はいろんな受け取り方があって、パスコースがなくなるという受け取り方を今されたということですけど、パスコースがマークでつれるということは、じゃあ相手の陣形がどう変わるかっていうことにおいては、幅を取ることで相手を広げることもできる。パスが繋がったかどうかはわからないですけど、そういうこともできて、相手がそのまま幅をマークしなくて中に閉めてくればサイドバックがボールを受けれるというところのビルドアップのやり方はあってもいいかなと思ってます。

でも、うまくいってないというふうにやはり見られるということは、もっともっと改善の余地があるということだと思いますし、おっしゃる通り、1点取った後、ボールを握れる時間帯でも少しもっとスムーズにできる場面もあったかなと思いますので、そこはチームの改善点として取り組んでいきたいと思います。

——本日はおめでとうございます。朝鮮とは昨年のアジア大会で一戦交えましたが、今日の試合に向けて朝鮮チームの出方をどのように想定し、どのどういった部分に力を入れてきましたか。また、前半での日本チームの先制の後、朝鮮側の粘り強い勝負が続きましたが、朝鮮チームの戦いぶりについてどのように評価しますか(在日朝鮮人の方)

そうですね。DPRコリアの選手たちは非常にここがハードワークできる、そしてチームとしてやろうとしている戦術を徹底できるということにおいては、本当に素晴らしいチームであり、個々の選手が揃っているなと思いました。

で、今日の試合においては、組織的に我々の攻撃を止めながら、よりパワーを持ってカウンター攻撃を仕掛けてくるということは予想していた中で、幸運なことに先制点を我々が早い時間帯に奪えたので、我々も優位に試合を進められましたが、DPRコリアのプレッシャーには簡単に我々が思い描いたような攻撃はできなかったので、彼らの粘り強さや最後GKが何度も好セーブをするという集中力、全く切れない、粘り強い、やはり最後まで戦い抜くことができるチームだなと思っていました。

で、後半のよりパワーを仕掛けてきた展開は、彼が持ってる戦術の部分もハイレベルだと思いますが、パワーを持って仕掛けてくる戦い方は我々にとって非常に厳しい戦いになったと思います。彼らのファイトは非常に素晴らしかったと思っています。また次の対戦の時には非常に厳しい戦いが待ってるなと思わせてくれる好チームと、いい選手は揃っていると思っています。

——前半は早々と先制点が取れて、その後もしっかりボールがキープできて、チャンスも継続的にできたと思うんですけど、監督の評価は何かこう、もう少し改善すべき点があるんじゃないかっていうようなことはなかったでしょうか

そうですね。決定力ですね。

——追加点のチャンス以外では?

そうですね。前線にビルドアップから、前線にボールをどう配給するか。そこは中央なのかサイドなのかっていう展開があると思いますが、前線にボールを入れる回数をもっと増やすということと、入れた時のアクションをよりスムーズにしていくっていうことができるようになると、相手のプレッシャーもさらにかいくぐれて、チャンスの数も増やせるかなと思います。

やはりロストしてるし、シーンも多いので、その分ロストすると無駄な体力を使わないといけないということと、ピンチが待っていますので、攻撃の改善ができればなと思っています。

——60分ぐらいでやや北朝鮮に攻め込まれてる時間帯が続いて、ちょっと空気を変えるっていう意味でも、例えば長友選手の投入とか考えてたりはしてたんでしょうか。会場のかなんかスタジアムの雰囲気も変わるかなとちょっと思ったりしたんですけど

そうですね。長友の投入ももちろん選択肢としては考えていました。DPRコリアの攻撃を圧力を受けていた時間帯、まさに反応もあったと思いますし、アジアカップでもあの展開になって仕切られてしまったというところはあった中で、長友も投入というよりも、そこで相手の圧力をはじき返す、あるいはしっかり受けられる選手たちを投入して、守備の安定とそこから小川に繋げていくというところは変わって入ってくれた選手はやってくれたかなと思います。

そこは逆に長友が出てキャラクターで空気を変えるではなくて、チームが勝つために選手たちがチームの戦術と、個々の役割と特徴を発揮して試合を勝ち切れたこと、そう評価していただけたら嬉しいです。選手たちを。

長友の存在はもう非常に今回も大きかったと思いますが、たくさんいい選手っていますし、今日も途中から入ってくれた選手がもう1回流れをこう引き戻してくれたというところ、みなさんに選手たちの評価をしていただけたら監督として嬉しいなと思います。選手たちを褒めてあげてください。

——セットプレーのことなんですけど、攻撃も守備もすごく工夫されていた部分もあったと思うんですけど、アジアカップを受けて、監督がこの試合に向けてどこに力をより注力したのかを教えていただけますか。

そうですね。セットプレーで、守備の部分においては失点がアジアカップの時には続いて、非常に試合も苦しい展開になって、試合を落とすことにもなってということがありましたので、そこは我々スタッフも選手も、セットプレーでの失点はないようにということで改善はしましたし、コーチ陣が、担当のコーチがアジアカップの反省を踏まえていろんな工夫をしてくれて、選手たちに伝えてくれて、選手たちも戦術的に見守るということと、メンタル的にも絶対やられないという気持ちを持って改善してくれたと思います。すみません、何を改善したかっていうところが説明なしで。よろしくお願いします。

——アジアカップで最後に守備が、鈴木彩艶選手を含め、ディフェンスラインがやっぱり耐え切れずに失点してっていう風なことがあったんですけれども、その時からまだ1か月ちょっとたって、この試合の中でもやっぱり彩艶選手を起用して、守備ラインもしっかり課題を克服したというか、しっかり次に繋がるような、自信になるような一生になるのかなと思ったんですけれど。そういった意味で、ディフェンスラインも含めて、彩艶選手もそうですけど、監督の評価っていうのはどんな感じですか

おっしゃる通りだと思います。鈴木彩艶、そしてディフェンスラインの選手も含めて、チームとして自信になる勝利が今日は掴み取れたかなと思っています。アジアカップでやはり失点が多くて結果を掴み取れなかったっていうところがあった中で、今日の試合、簡単な試合ではなかったですし、押し込まれて失点してもおかしくないようなシーンを何度も作られながらも粘り強く守れた。で、無失点で追われたというところは、彩艶を含めてチームの自信になったかなと思います。

で、私自身はアジアカップからの反省、課題を受けて今日の試合に臨んでくれて、選手たちは修正してくれたという部分ももちろんあると思いますが、まだGK、ディフェンスラインはカタールのワールドカップから比べると経験値はかなりまだ低い中でこれまで戦ってきて、やはり一足飛びには安定はなかなか難しいんだなというところを、1つ1つ厳しい試合の経験を経て、選手たちは確実に成長してくれてるなっていうことを結果で示せ、示してくれたのが今日の選手たちのプレーかなと思います。

まだまだ改善すべきところはたくさんあると思いますし、これから彼らがさらに厳しい戦いを踏まえて成長するところを監督として期待してますし、楽しみにしていきたいと思っています。

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