今こそ日本サッカー協会に取り組んでほしいとても大切だと思うこんなこと
はたして日本サッカー協会がどう思っているか、ぜひ聞いてみたいことがあります。
カタールワールドカップ前、森保一監督は週1回、オンラインで「囲み取材」を受けてくれていました。様々な疑問点に答えてもらうとともに、サッカー談義になったり、ときには森保監督から記者たちに質問が投げかけられることもあり、非常に意義深い時間になっていたと思います。これは自分の考えや方向性をきちんと言葉にして伝えたいという森保監督の「日本サッカー」を思っての行動だったのは間違いないでしょう。
そして実際、森保監督の言葉は週1回、必ず世間に伝わっていました。ときに誤解を生みながらになってはいましたが、それでも真意をくみ取ってくれた人たちもたくさんいたのではないかと思います。
ただし、このオンラインでの「囲み取材」は代替案でした。いつもはJリーグの視察の後にスタジアムで記者たちの質問に答えていたのですが、コロナ2019の影響で対面取材が出来なくなったため、日本サッカー協会が代わりとして行っていたのです。
そして現在、スタジアムでの直接の「囲み取材」が復活しました。そして海外視察中を除いてオンラインの「囲み取材」はなくなっています。
だが、はたしてそれでいいのか、日本サッカー協会には考えていただきたいところです。試合後の囲み取材は長くて10分程度。ワールドカップ前のオンライン囲み取材は時に1時間程度ありましたから、1回の取材でいくつもの記事が出てきました。ですが10分程度ではそんなにたくさんの話は聞き出せません。そのため森保監督、あるいは日本代表の話題は、海外選手の活躍ぐらいで極端に減っています。
せっかくワールドカップで感心を集めたのですから、今日本のサッカーがどういう方向に向かおうとしているのか、発信していくほうがいいのではないかと思います。そうでないと言葉尻だけを捉えて本質とは違った話ばかりが広がってしまうと思うのです。
そうなってしまう要因はメディアのほうにもあります。即時性が求められるため、起きたことに対して関係者などの取材をする時間が十分に取れず、SNSでどんな意見が出ているかという話が多くなってしまっています。もちろん「世間の人からはこう見えている」という警鐘は必要なのですが、「専門的にはこう見えている」という記事は少ないと思います。
一方で、日本サッカー協会で広報を担当する部署の人たちはいくつかのカテゴリーや大会を兼任して担当しています。夜遅くにメールが来たりすることもあって、もらったほうがドキドキしたりもします。あ、でもきっと労働基準法はしっかり守っていると思います。でも大変な現状はなんとなく分かっているつもりです。
なので言い出すのは非常に心苦しい感じもあるのですが、それでもぜひオンライン囲み取材を復活していただければと思います。そうやって世間の関心を高め、裾野を広げていくことこそ、ナンバーワンスポーツがサッカーという他の国々と戦って勝っていく方法の一つだと思うのです。
歴代の監督の中でももっとも取材に協力的で、いろんなことに正直に答えてもらえる森保監督だからこそ、今のうちに実績を作っておいてはどうでしょうか。そしてもし将来、取材に対してとてもとても非協力的な監督が就任したとき、今築いている実績を「日本のやり方」として示して対応してもらえるようにしたらどうかと思います。
コロナ前に戻るのは大切なのですが、コロナの期間中に出来た素晴らしい部分はそのまま継続してほしいと、切に願います。
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