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得点差以上の圧勝 日テレ・東京ヴェルディベレーザが一歩を踏み出す #女子サカマガ WEリーグ ピックアップ(無料記事) 

2023−24 WEリーグは11節 を終え折り返し地点

2024年3月20日にNACK5スタジアム大宮で行われた2023−24 WEリーグ 第11節は日テレ・東京ヴェルディベレーザが0−1で大宮アルディージャVENTUSを下し4位を守りました。唯一の得点は神谷千菜選手の迫力あるヘディングシュート。神谷選手はウィンターブレイクに加入後、4試合で3得点の大活躍です。 

クリエイティビティ溢れるサッカーを見せた日テレ・東京ヴェルディベレーザ 

「ゴールを手に入れるのは非常に大変です。選手たちは、ここ数試合で痛感したと思います。今日のゲームでは『工夫しよう』あるいは『何とかしなければ』という意識が非常に強かったと思います。これは、こちらから与えた要素ではありません。選手たちの危機感、もっとやらなきゃという気持ちがそのまま出たゲームだったと思います。これが成長する上では非常に大事な部分です。1点でしたけれども、しっかりとゴールして勝ち切れた。非常に自信にもなると思うし、選手たちは、一歩を踏み出せたと思います。」 

松田岳夫監督は、試合後の会見で、ファイトし続けた選手を讃え続けました。77分間スコアレスが続く痺れる展開となりましたが日テレ・東京ヴェルディベレーザ選手は、長短のパス、ドリブルのアイデアを出し続けました。そして、スペースに走り込むハードワークが見事です。 

我慢だけの90分間となった大宮アルディージャVENTUS 

大宮アルディージャVENTUSは日テレ・東京ヴェルディベレーザの最終ラインやゴールキーパーに前から圧力をかけるのではなく、2枚または3枚を最前列で構え、ボールを呼び込んで守る方法を採用しました。しかし、日テレ・東京ヴェルディベレーザから、なかなかボールを奪いとることができず試合を支配されました。ほとんどの時間帯を自陣で過ごす、我慢の90分間で終わりました。 

大宮アルディージャVENTUSの柳井里奈監督は「我慢のゲーム」になることをある程度は覚悟していました。ただ、予想以上にスペースにこぼれたボールをとり切れそうでとり切れない、今一つ、選手が踏み出せない試合展開が続きました。 

「前から行きたいところはありますけども、日テレ・東京ヴェルディベレーザがスペースやギャップを突くことが上手です。最初は(人に)行ってみるけれど、難しいと感じたらゾーンでガッツリ締めなければいけないと選手に言っていました。」 

選手は状況判断に悩みながらプレーしていたように見えました。 

鈴木陽選手(東京NB)と競り合う仲田歩夢選手(大宮V) 写真提供:WEリーグ TOPの写真も

思い切りの良いサッカーを披露できなかった悔しさ 

「チームとして全員がとりに行くぞというタイミングでとりに行かないと全部が後手を踏んでしまい、相手に外されてしまうので上手くできなかったです。」 

田嶋みのり選手は、ピッチを広く使ってパスとドリブルを織り交ぜてくる日テレ・東京ヴェルディベレーザの攻撃への対応の難しさを話しました。

大宮アルディージャVENTUSの中盤のキープレーヤーである林みのり選手は、いつもの持ち味を出すことができませんでした。悔しさが滲み出るゆっくりとした口調で話しました。 

「相手に押し込まれてしまいました。前から行きたいところはあったのですが剥がされてしまって、ずっと守備……どうしようと考えながらの苦しい試合展開だったと思います。」 

一対一の守備を挑んでチャレンジする場面もありましたが、中盤を厚くした日テレ・東京ヴェルディベレーザは局面で数的優位を作りやすくなっており、どの選手もボールを奪える強度の高いアプローチをなかなかできません。 

「『簡単に剥がされないように』と思えば思うほど相手に行けないというところは、ちょっとあったと思います。」 

大宮アルディージャVENTUSは課題が見えたはず 

どの選手に話を聞いても、同じ課題を自覚しているように感じます。シュート数は日テレ・東京ヴェルディベレーザが20本、大宮アルディージャVENTUSは4本。ボールを奪えなければ相手ゴール前に迫る回数も減少します。 

はっきりとした完敗だけに、逆に考えれば、その課題さえ解決すれば、もう同じ失敗は繰り返さないはずです。仲田歩夢選手が雪辱を誓いました。 

「守備に回る時間が長いと体力も消耗します。そういう中でも、一歩、強くボールに行くタイミングを作れば絶対に効いてくると思うので、もう少しできたら良かったと思います。どのポジションでも、一人がスイッチを入れたら全体で早くプレッシャーをかける必要性を感じています。そこは、皆が感じてることだと思うので、必ず次に活かします。」  

WEリーグは一巡目の第11節を終了。次節から後半戦に入ります。 

(2024年3月20日 石井和裕)

ファン・サポーターとのコミュニケーションが上手なミーヤ

たくさんのファン・サポーターがアルディと記念撮影

選手が考案したアスリート食「VENTUSナポリタン」の販売に村上真帆選手と五嶋京香選手が駆けつけた

ベンチ入りしなかった選手のサイン会(選手ふれあいイベント)には長い列ができた

品揃えが良い大宮アルディージャVENTUSのグッズ売り場。選手が足を運ぶこともある

トラメガにもアルディとミーヤ

スタグル売り場に選手のビジュアルが使用されることが多いNACK5スタジアム大宮

 

 

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