WE Love 女子サッカーマガジン

WEリーグ「怒涛の3月」がやってくる 初タイトル獲得を誓う滝川結女選手(アルビレックス新潟レディース) 

WEリーグ再開前に、躍進の理由と変わらぬ目標を滝川結女選手が語る 

滝川結女選手のプレーに迫力と切れ味が増しています。特に印象に残っているのが2023-24WEリーグカップ決勝。ピッチ上にスペースを見つけ走り続け、ボールを持てば前に仕掛け続ける。その姿に彼女のパワーアップを感じたファン・サポーターが多かったかもしれません。 

2022年9月のインタビュー取材時は「相手よりも先に出る瞬発力をどのように身につけるか、トレーニングのメニューを組んでもらっている」「体幹を鍛えたりウェートトレーニングをしたりする時間が増えた」と話していました。あれから1年半が経過し、滝川選手とアルビレックス新潟レディースの何が変化したのでしょうか。 

躍進するアルビレックス新潟レディースの「エース」と呼ばれるようになった攻撃的選手 

今シーズンのアルビレックス新潟レディースは、新監督・橋川和晃さんが「本気でトップ3を目指す」を掲げスタートしました。2023-24WEリーグカップは準優勝、皇后杯 JFA第45回全日本女子サッカー選手権大会は優勝したINAC神戸レオネッサに敗れて準々決勝敗退。これから、アルビレックス新潟レディースは、残された最後のタイトル獲得を目指します。現在、2023−24 WEリーグの3位につけています。 

再開となる2024年3月3日の対戦相手はサンフレッチェ広島レジーナ。2023-24WEリーグカップ決勝の相手です。 

滝川結女選手 ©ALBIREX NIIGATA LADIES TOP写真も

2024年2月5日にJFAハウスで行われた2023−24 WEリーグ前半戦振り返りメディアブリーフィングで、今シーズンのWEリーグ全体のデータ分析結果を発表した狩野倫久さん(WEリーグテクニカルアドバイザー)は滝川選手を「エース」と表現しました。試合結果を左右するパフォーマンスを披露してきたからです。 

「エース」は、3月3日の2023−24 WEリーグ再開を前に何を考えているのでしょうか。そして、アルビレックス新潟レディース躍進の理由をどのように捉えているのでしょうか。新潟聖籠スポーツセンター (通称:アルビレッジ)を訪ね、お聞きしました。 

新潟聖籠スポーツセンター (通称:アルビレッジ)

「本気でタイトルを」選手、監督、ファン・サポーターの共通認識 

勝つことでファン・サポーターの期待が大きくなる 

—今シーズンは、ファン・サポーターからお褒めの言葉や励ましの言葉がかかかることが増えたのではありませんか? 

滝川–SNS、試合後のハイタッチ、お見送りイベントでポジティブな声をかけてくださることが多くなったと思いますし、試合中のサポーターからの声援、チャントはとても響きますね。 

昨シーズンが終わったとき「プロリーグでプレーしている以上は結果を出していかなければならない」と、より一層の覚悟が固まりました。だから、今シーズンのウィンターブレイク前までの目標であった勝ち点12を上回る13をとれたことはとても良かったと思います。 

結果がついてくればくるほど、ファン・サポーターの期待も大きくなってくると感じています。観客数に反映されていきます。特にホームゲームで勝つことで、新潟の皆さんにたくさん応援していただけると感じました。 

滝川結女選手

活気あふれるアルビレッジでのトレーニング 

—トレーニングでは声が飛び交いチーム内の雰囲気が良さそうに見えました。いかがですか? 

滝川– チームの雰囲気に変化が出てきました。なほさん(川澄奈穂美選手)を筆頭に「鼓舞する声」や「厳しい声」も増えてきました。「引き締める声」がすごく良いと感じています。少しでもピッチ上の空気が悪くなりそうになると、皆が声をかけてくれる。本当に良い雰囲気が生まれていると思います。 

声を掛け合い細部にこだわるアルビレックス新潟レディースのトレーニング

—例えば、シュートチャンスに一度で決め切れないと、チームメイトから一斉に声が出る。このチームの特徴と感じました。 

滝川– 試合には絶対に決め切らなければならないシーンがあります。勝つためには数少ないチャンスをものにしなければならない。ウィンターブレイクまでの試合を振り返り、選手一人一人のシュートへのこだわりやセカンドボールへの反応が増しているのだと思います。 

ベテランから高卒新人まで要求し合い助け合うチームに 

川澄選手の加入、川村選手の復帰の意味 

—ところで「川澄選手とチームメイトになる未来」を以前に想像されたことはありましたか? 

滝川– まさか同じチームでプレーできると思っていませんでした。オンでもオフでもチームメイトを支えてくれる存在だと思います。 

—チームメイトになる前に想像していた川澄選手の印象と、実際に何か違いはありましたか? 

滝川– 思った以上に陽気な方なので最初は人柄にびっくりしました。年齢に関係なく、若い子にもすごく優しく接してくれます。 

—そして、もう一人、川村優理選手がコンスタントに出場できるようになったことも、アルビレックス新潟レディースが躍進する要因の一つだと思います。大きな存在ですね? 

滝川– アルビレックス新潟レディースにとって、とても重要な選手です。優理さんの存在は大きいですね。試合の中で自分たちの時間を作ってくれます。優理さんが入ることで、チームに落ち着きが出る。優理さんが(右膝内側半月板損傷の大怪我からの)リハビリをしている姿を2年間もずっと見てきました。開幕戦で復帰し、また同じピッチに立てたときは感極まる気持ちになりまりましたね。とても嬉しかったです。 

川村優理選手

—経験豊かな選手が戦列に加わり、ウィンターブレイクには若い有望な世代が新加入。トレーニングでは、年齢層に幅がありながらチームとして一体になっていると感じました。 

滝川– 上と下で別れることなく、一体感があります。ベテランの選手は若手を引き上げてくれる。日々の練習の中で、できなかったことを後から個人的に教えてくれる選手が多いです。もちろん、自分も含め、プレーヤー同士のコミュニケーションが良く、頻繁に話し合うからこそ、イメージの共有ができると思います。チーム全体のレベルの底上げが上手くいっていますね。 

U-18から昇格した田中聖愛選手はフォワードの雰囲気を持っている

—拝見したトレーニングでは、滝川選手が周りの選手に対して「自分がこちらに動きたいから、こういうポジションをとってほしい」という要求を何度もされていました。こうしたアクションは以前と同じですか?最近、何か変化がありましたか?  

滝川– 10代のときは自分がパスを受けるところまでしか考えていませんでした。 

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