WE Love 女子サッカーマガジン

日テレ・東京ヴェルディベレーザのWE ACTION DAYから見えるWEリーグの強みと進化

WE ACTION DAYとはWEリーグの理念である『女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する』ことを体現するために、各クラブがアクションを起こす日です。

実は、その活動が進化を遂げていることをご存知でしょうか。サンフレッチェ広島レジーナは、5月14日(日)のWE ACTION DAYで、経済産業省中国経済産業局(スポコラファイブ)と連携しワークショップを開催します。スポコラファイブとは経済産業省中国経済産業局が主宰する、中国地域5県のスポーツ関連産業の振興を通じた地域の付加価値向上のため、スポーツ団体間や異分野の連携をベースとした新商品・サービス開発や情報発信、人材育成に関する連携プラットフォームです。WEリーグチームがWE ACTION DAYを通じて行政や企業と連携をする動きが広がっています。

駒沢女子大学で開催した日テレ・東京ヴェルディベレーザのWE ACTION DAY『B E L E Z A D R E A M P R O J E C T ~女性活躍の未来へ』

WE ACTION DAYの取り組みは来シーンも継続

今シーズンまでは11チーム開催により試合のないチームがWE ACTION DAYとしてアクションを起こしてきました。来シーズンのWEリーグはセレッソ大阪ヤンマーレディースの参入により12チームで開催されます。それに伴い、来シーズンのWE ACTION DAYは、運用方法が変わり新たな3つの形式で開催されることが決定しています。

一つ目は全チームが一斉に開催するWE ACTION DAYです。秋開催を予定しています。全チームから1名が渋谷に集合し実施します。そして、同日に各チームもホームタウンで一斉に実施します。二つ目はウィンターブレイクに各チームが実施。三つ目は各チームが独自に実施するものとなります。一年目のシーズンは手探りだったWE ACTION DAYですが、今シーズンは女子のプロスポーツチームならではの強みが存分に活用できる取り組みが増えており、来シーズンはさらに発展しそうです。WE ACTION DAYは、選手によるボランティア活動参加や地域活動参加とは立ち位置が違うのです。

小学生に優しく話しかける北村菜々美選手

日テレ・東京ヴェルディベレーザは駒沢女子大学(学校法人駒澤学園)との共催で開催

日テレ・東京ヴェルディベレーザは2023年4月29日にWE ACTION DAYを迎えました。複数のパートナーとのコラボレーションで展開した取り組みは、今シーズンのWE ACTION DAYを象徴するものとなりました。今回のWE Love 女子サッカーマガジンでは、日テレ・東京ヴェルディベレーザのWE ACTION DAY『B E L E Z A D R E A M P R O J E C T ~女性活躍の未来へ』についてレポートします。

この取り組みは、日テレ・東京ヴェルディベレーザのパートナーである駒沢女子大学(学校法人駒澤学園)との共催で行われ、同じくパートナーである株式会社 明治、株式会社レッカスグルーヴの協力を得ています。そして、小学生の女子児童と駒沢女子大学の学生が多数参加しているのも特徴です。

3つの項目で実施しています。

1  駒沢女子大学少女サッカー教室
2 
自分のカラダの仕組みを学ぼう!※少女サッカー教室参加者対象
3 
ベレーザの選手と一緒に食育と運動を学ぼう!カカオ編駒沢女子大学在学生限定

大賀蓮が花を咲かせる駒沢女子大学の修景池。大賀蓮は1951年に検見川厚生農場で発見された古蓮がルーツの古代蓮。検見川厚生農場はのちに東京大学検見川総合運動場となり日本代表のトレーニングキャンプ地として何度も使用された。こんなところにサッカーとのつながりが。

主将の村松智子選手は、まず参加者の反応に驚いたと言います。

「サッカー教室はWEリーグになる前から頻繁にやっていますが、今回は参加者がすごく多かったです。最近は本当に女子の参加が増えたと感じています。今日は(藤野)あおばのユニフォームを着た子がいたり(発売したばかりの)なでしこのユニフォームを着ている子がいたりしました。以前は、男子の代表選手のネームが入っている参加者をよく見かけていたのですが、女子選手のユニフォームを着ているのを見て嬉しかったです。もっと交流して、身近に触れられる存在になった方が憧れの対象にしてもらえると思うので積極的にやっていきたいと思います。」

藤野あおば選手の代表ユニフォームで参加した小学生も

WEリーグの参入基準には、プロ契約選手の全員がC級コーチライセンス以上を取得することが記載されています。村松選手も、以前に指導者養成講習会を受講しC級コーチライセンスを取得したことで「自分の頭の整理された」と言います。現役プロ選手でかつ指導者ライセンス保持者が子どもたちに指導できるのは、まさにWEリーグならではのコミュニケーションです。

熱心に食いつくように楽しんだ参加者たち

パートナーと共に歩む日テレ・東京ヴェルディベレーザ

「ベレーザの選手と一緒に食育と運動を学ぼう!カカオ編」では株式会社 明治からカカオマーケティング部グローバルカカオグループの新田大貴さんを講師招き、駒沢女子大学の学生を対象に勉強会を開催しました。日テレ・東京ヴェルディベレーザの選手たちも、学生と一緒に受講しています。

身を乗り出して聴き入る田中桃子選手と西川彩華選手

日テレ・東京ヴェルディベレーザ パートナー営業グループの原田梨紗さんは、ずっと希望していた取り組みが実現したと言います。

「日テレ・東京ヴェルディベレーザと駒沢女子大学さんで2010年に『パートナーシップ提携協定』及び『コーポレートパートナー契約』を締結し、稲城市のスポーツ振興、地域活性、青少年少女の健全育成に貢献するための活動を行っています。しばらくは、コロナ禍でなかなか学生さんとの交流機会が築けませんでした。コロナ禍による規制が緩和されたことと、学生さんはリモート授業が続いて運動不足の方が多いということをお聞きし、日テレ・東京ヴェルディベレーザでできることを探していました。理念推進日ということで、ただサッカー教室をするだけではなく、理念を体現するためにどういったことができるかを考えました。」

株式会社 明治は、日頃から日テレ・東京ヴェルディベレーザの栄養面でのサポートをしている企業。駒沢女子大学(学校法人駒澤学園)は、10年以上のお付き合いがあり、ベレーザとメニーナを長くサポートしているパートナー。株式会社レッカスグルーヴも加えWE ACTION DAYというWEリーグ公式行事を共創することで、アクションの相乗効果を増幅させています。駒沢女子大学(学校法人駒澤学園)との共催で、整備されたグラウンド、体育館、複数の校舎を会場とすることにより、このような複合的な取り組みを行うことができました。

チョコレート効果ドリンクを体験後にボールを使って体を動かす食育プログラム

女子プロサッカーチームだからできることとは?

株式会社レッカスグルーヴには女性企画事業部があります。1日10分じぶんらしさを見つけるフェムテック・ケア情報サイト『L y:set(リゼット)」(https://lyset.jp)を運用している企業です。今回のWE ACTION DAYでは「自分のカラダの仕組みを学ぼう!」の講師を派遣しプログラムを提供しました。小学生を対象にした「生理クイズ」では「生理中に運動しても大丈夫?」といった問題に、小学生、親御さんが、元気よく参加しました。経営企画室プランニング・ディレクターの柳澤清香さんにお聞きしました。学校で教えてもらうだけでは網羅できない、経験談や知識を、憧れの選手から教えてもらえることに大きな意味があると考えています。

親子で相談しながら回答する参加者が多かった「生理クイズ」

「小学校や中学校で生理の話を聞きにくいというお話があります。今どんどんと生理の始まる時期が早まっていっています。小学校で習ってきたものしか知識がなくて、アップデートできない親御さんもいらっしゃいます。スポーツをされるときの困りごとに生理の問題があり、そういったことを親御さんと話すきっかけをなかなか作れないという悩みを聞いていました。生理は解決しにくい課題ではなく、身体に向き合うきっかけだということをお伝えできる機会を創れて良かったと思います。」

女子プロサッカー選手の経験は、親御さんにとって大きなヒントに

「自分のカラダの仕組みを学ぼう!」に参加し、小学生や親御さんからの質問に答えた宇津木瑠美選手は15歳で公式戦にデビュー。16歳でなでしこジャパン(日本女子代表)初出場。FIFA女子ワールドカップ初出場は18歳と、若くして多くの国際経験を重ねた選手です。

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