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ヨコハマ・フットボール映画祭はミーガン・ラピノー選手とズラタン・イブラヒモビッチ選手に注目 予習に最適な共演アニメ作品も(無料記事)

ヨコハマ・フットボール映画祭2023が6月17日(土)に開幕します。驚いたのは、そのポスタービジュアルです。FIFA女子ワールドカップ フランス2019で世界的に有名になったミーガン・ラピノー選手のゴールパフォーマンスのポーズがモチーフになっています。今年のヨコハマ・フットボール映画祭では、ラピノー選手をはじめとするアメリカ女子代表のもう一つの戦いを追跡した映画『L F G ―モノ言うチャンピオンたちー』が日本初公開。上映前にはWEリーグチェアの高田春奈さんが登壇。トークショーを開催します。

今回は、ヨコハマ・フットボール映画祭2023について、実行委員会のメンバーである鈴木彩子さんにお聞きします。彼女の視点から女子サッカーと映画祭の魅力をご紹介します。

カンガルーもラピノー選手をセレブレーションしているポスタービジュアルが生まれるまで

鈴木さんはサッカー関連書籍や雑誌のデザイン、クラブやスポーツメディアのビジュアル・デザインワークを多く手掛けています。例えば、今年の #サッカー本大賞 の受賞書籍のうち『DO YOU SPEAK FOOTBALL?』『バルサ・コンプレックス』の装丁を手掛けています。5月31日発売予定の『もえるバトレニ~モドリッチと仲間たちの夢のカタール大冒険譚』(ソル・メディア、長束恭行著 https://www.footballista.jp/book/157251)の装丁も鈴木さんによるものです。女子サッカー関連ではKeep Playing プロジェクトのロゴデザイン、WEリーグ関係のクリエイティブワーク等をされています。

今回のポスタービジュアルは、どのように決まったのでしょうか。聞いてみました。

「イラストレーターのミヤザキさんには、この3年間連続で、ヨコハマ・フットボール映画祭のイラストの書き下ろしをお願いしています。今年のビジュアルをどのようにするかデザインチームの中で話し合いがありました。私的に、今年はFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023が開催されるので、女子サッカーのビジュアルになってくれると嬉しいなと陰ながら思っていたのですが、私ではなく、実行委員長の福島成人さんから『ラピノー選手とかどうでしょう』みたいな提案がありました。」

デザインのイメージをイラストレーターのミヤザキさんに伝え、イラスト制作を依頼。映画祭がFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023の直前に行われることから「カンガルーを登場させてはどうでしょう?」「オーストラリアとニュージーランドを象徴する景色を盛り込みたい」「大自然を連想する色にしたい」……。要望やアイデアを共有します。

「ヨコハマ・フットボール映画祭2023は女子サッカーに特化した映画祭ではないので、そのさじ加減も考えました。ビジュアルとしてすごく良いものができたのでミヤザキさんに感謝しています。」

FIFA女子ワールドカップ フランス2019決勝戦にラピノー選手風の出立ちで応援に駆けつけたアメリカ女子代表サポーター(筆者撮影)

“イコールペイ”とは何か、その現実と選手の戦いを描いた映画

L F G ―モノ言うチャンピオンたちー』はアメリカ女子代表を追跡したドキュメンタリー映画です。アメリカ女子代表はFIFA女子ワールドカップとオリンピックで合計8回の優勝を誇る世界最高の実績を持つ女子サッカーチーム。戦績だけではなく、影響力、ビジネス面でも男子のアメリカ代表を上回っています。それにも関わらず女子代表選手たちの生活はコーチ業等で成り立っていいました。ラピノー選手たちは、サッカー選手の男女間の賃金格差解消運動イコールペイを立ち上げます。その動きはサッカー界のみにとどまらず、ついに新旧のアメリカ大統領を巻き込んだ社会現象に発展していくのでした。そのハイライトシーンとなったのはFIFA女子ワールドカップ フランス2019決勝戦後の“イコールペイ”コール。キャンペーンのうねりは、ものすごい勢いで広がり、ラピノー選手は時代をリードするアイコンとなったのです。

この映画は“イコールペイ”をただ記録したのではなく、エンターテイメント作品として楽しめる仕上がりになっています。女子サッカーに関心のない映画ファンにもおすすめできる作品です。

アメリカの今を象徴するアイコンとなったラピノー選手

ヨコハマ・フットボール映画祭で女子選手が活躍する映画が上映されるのは、これが11本目。今回も、今のサッカー界の動きを反映した作品として上映されることになりました。サッカーをテーマにした作品ラインナップの中、選手のキャラクターが前面に押し出された上映作品は『I AM ZLATAN / ズラタン・イブラヒモビッチ』と『L F G ―モノ言うチャンピオンたちー』の2本です。鈴木さんは、自宅で事前に見るとより映画を楽しめるアニメ作品があると言います。

Ntflixで配信されているアニメ映画『ザ・サッカームービー: ミュータントをやっつけろ!』(2022年11月9日公開https://www.netflix.com/jp/title/80228012)をご覧になりましたか?この映画の主人公がズラタン・イブラヒモビッチ選手で、冒頭から一緒に登場するサブ主人公がラピノー選手です。2人の他に登場する女の子の一人はラピノー選手を大好きすぎて、ラピノー選手を見ると『キャー』となってバタンと倒れてしまうキャラクターです。ラピノー選手が今のアメリカの子どもたちの憧れの存在であることがわかります。こちらも個人的には面白かったです。」

偶然にもイブラヒモビッチ選手とラピノー選手がアニメで共演する『ザ・サッカームービー: ミュータントをやっつけろ!』を見てからヨコハマ・フットボール映画祭2023に足を運ぶのも良いかもしれません。

L F G ―モノ言うチャンピオンたちー ©Change Content

ヨコハマ・フットボール映画祭2023は女子サッカーの魅力を相互にパス交換できる機会になる

鈴木さんの海外初観戦はF I F Aワールドユース選手権オランダ2005だそうです。その後は、毎年のように欧州に観戦旅行に行くようになりました。鈴木さんと女子サッカーの付き合い方について聞いてみました。

「正直なところ、日本国内では観ていましたが、海外ではずっと女子サッカーを「選んでこなかった」です。それが、自然と『次に行くときは海外へ行っても女子サッカーを見たいな』と思うようになりましたね。日頃からDAZNやインスタグラムやニュースを見ていると、世界の女子サッカーをとりまく空気感や潮目が変わったと感じます。それを自分の目で見たいという気持ちに変化しました。自分の娘とWEリーグを毎週のように見に行くようになったので、人で世界の女子サッカーを見に行きたいという目標ができました。」

L F G ―モノ言うチャンピオンたちー ©Change Content

そんな鈴木さんから、読者の皆さんにメッセージをいただきました。

「よく聞く『女子サッカーのアイコン・ラピノー選手が、実際にどのような姿で活躍しているのかを映画を見て体験していただきたいです。日本ではWEリーグがJリーグと同じようにプロリーグとして開催されています。その入口として、今回の映画やイラストに触れていただくと良いと思います。それから、WEリーグの髙田春奈チェアがゲストにいらしてトークショーも開催します。直接、お話を聞いていただき、女子サッカーの魅力を相互にパス交換できる機会になると思います。ぜひ、楽しんでください。』

筆者も髙田チェアと一緒にトークショーに登壇します。かなっくホールでお会いしましょう。

(インタビュー:2023年4月27日 石井和裕)

 

ヨコハマ・フットボール映画祭2023

日程 2023年6月17日()~6月18日()
会場 かなっくホール 横浜市神奈川区東神奈川1丁目10−1
6月19日(月)〜23日(金)はシネマジャック&ベティで連日追っかけ上映。

L F G ―モノ言うチャンピオンたちー

2023年6月17日(土)上映
※2023年6月22日(木)はシネマジャック&ベティで上映

アメリカ/ドキュメンタリー/105分/2021年
監督:アンドレア・ニックス・ファイン、ショーン・ファイン
出演:ミーガン・ラピノー、ジェシカ・マクドナルド、ベッキー・サワーブラン、ケリー・オーハラ、クリステン・プレス、ジュリー・ファウディ

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