西部謙司 フットボール・ラボ

川崎フロンターレ「復活」への視界良好。躍動した新戦力と進化したビルドアップ

連覇した時代から選手が大幅に入れ替わった川崎フロンターレだが、再び上昇気流に乗るかもしれない。そんな期待を抱かせる一戦だった。川崎の強さはどこにあったのか? 紐解いていく。

【おもな内容】

・いきなり過密日程のなか川崎がつかんだ「価値ある勝利」

・ハイプレス外しの「手本」を見せた川崎フロンターレ

・パトリッキ・ヴェロン、山内日向汰、ゼ・ヒカルド躍動した新戦力の実力

川崎がつかんだ「価値ある勝利」 

FUJIFILM SUPER CUP2024は昨季天皇杯優勝の川崎フロンターレが1-0でリーグ王者ヴィッセル神戸を下しました。決勝点は48分、ファンウェルメスケルケン際がFKからのこぼれ球をゲットしております。

開幕前のタイトル戦ではありますが、ぎりプレシーズンでもあり、独特の空気感のカップ戦。川崎は中国でACLのR16第1戦を戦ったばかり。ACLとはかなりメンバーを代えて臨みました。そんな中での勝利はより価値があったのではないでしょうか。

というわけで、川崎中心にこの試合で気になったことを書いてみます。

なぜ神戸のハイプレスを外せたのか? 川崎が見せた「お手本」 

神戸は昨季と同じメンバーなのに対して、川崎は新加入選手4人が先発。沖縄キャンプのときはまだ連係面で不安を残していたのですが、この試合ではとくにそんな感じもなかったです。

15分、GK上福元直人を経由してDF間でパスをつなぎ、再びGKも使って神戸のプレスを外して前進。途中でパスが引っかかってはいますが、すぐに拾って攻め込み、山田新のシュートまで持っていったシーンが印象的でした。

最深部からのビルドアップは川崎の課題だと思います。というより、相手のハイプレスにどう対処するかはどのチームにも課題でしょう。キャンプの練習試合では町田ゼルビアのプレスに何度かボールを失っていました。この試合でもそういう場面はありましたが、上手く外せていたほうが多かった印象です。

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