西部謙司 フットボール・ラボ

フラット3はなぜ笑い物にされたのか? 「嫌われた監督」トルシエの不遇を想うアジアカップの夜

日本代表を苦しめたトルシエ監督率いるベトナム代表。「フラット3」を懐かしむ声が聞こえてきたが、かつて日本代表で採用していたときは賛否両論だった。本当にダメな戦術だったのか?

監督憎けりゃフラット3まで憎い状態だったあの頃 

アジアカップが始まっています。日本代表は緒戦でベトナム代表を4-2で下しています。相手の監督がかつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエさんでしたね。相変わらずの「フラット3」で懐かしかったです。

あのフラット3という守備戦術は、当時けっこう話題になったものです。

賛否両論。否定的な意見のほうが多かったですかね。「リスキーだ」「あれじゃ、DFが1対1に強くならない」というような批判がありました。しかしそれ以上に、監督への嫌悪感がフラット3批判につながっていた感じでした。トルシエ監督のフラット3を仕込むための指導が高圧的で、今ならパワハラに近いかもしれません。なので、「あんなことしなきゃできない戦術なら、やらんでいい」という意見もけっこうあったわけです。

ただ、日本に善戦したベトナムを見てもわかるように、フラット3戦法はいまだにけっこう通用しています。

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