西部謙司 フットボール・ラボ

「首位」と「17位」の差って何ですか? 神戸と湘南の大接戦をめぐるミステリー

まさに「この差って何ですか?」と声を上げたくなる熱戦だった。似たスタイルとも言える神戸と湘南の戦い。順位では大きな差が開いているものの互角の勝負となった要因はどこにあるのか? これぞJリーグとも言うべきミステリーにメスを入れる。

首位と17位の対決に大きな差はなし 

31節を終えて、残すところあと3試合となりました。J1首位はヴィッセル神戸。2ポイント差で横浜F・マリノスです。一方、1チームのみ降格となる今季、最下位は横浜FCですが、17位の湘南ベルマーレとの差も2ポイントです。

31節は首位の神戸と17位湘南の対戦だったのですが、結果は1-1のドロー。それぞれ優勝と残留がかかった同士とはいえ、この順位差のある対戦が引き分けに終わるというのがJリーグらしいところかもしれません。

しかも先制したのは湘南でした。11分に大橋祐紀がゲット。セカンドボールの奪い合いから杉岡大暉が運んで左の阿部浩之へ。阿部がGKDFの間へ差し入れた絶妙のパスを大橋が決めています。

神戸はいつもどおりの縦に速い攻め込みとシンプルなハイクロスからチャンスを作り、押し気味に試合を進めてはいましたが、前半の決定機は湘南のほうが多かったですね。阿部のシュートは1本がポスト、1本はGKに防がれました。

神戸の同点ゴールは53分、大迫勇也のPKです。きっかけもハイクロスを大迫が頭で競り落としたボールを岡本拓也がハンドしたもの。ここというときはやはり大迫でした。その後は神戸が攻勢を強めますがゴールならず。湘南は5人交代した後にGK富居大樹が腰を痛めて退き、DF大岩一貴が臨時GKとしてゴールを守る場面もありましたが何とかしのぎました。

勝点差は34。一体何がこの大差を生んだのか? 

湘南も残留がかかっているので必死とはいえ、首位の神戸に堂々たるプレーぶりでした。

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