西部謙司 フットボール・ラボ

ヴィッセル神戸が大好物であるボール保持型のアルビレックス新潟を食えなかったのは柿の種が堅いからではなくハイプレスがはまらなかったからだった

対照的なスタイルの対決となったヴィッセル神戸とアルビレックス新潟。神戸が対峙したのは2つの「いつかの自分」でした。首位チームはなぜ好物であるボール保持型の新潟を食えなかったのか?

アルビレックス新潟は「かつての自分」 

第7節のヴィッセル神戸とアルビレックス新潟の対戦は興味深いカードでした。首位の神戸は2018年以来の「バルセロナ化」から戦術変更を行っていて、むしろリバプール化といった趣。一方の新潟は昇格組とは思えないほどボールをつなぐスタイルで新風を吹き込んでいます。神戸はかつての自分たちと対戦しているような感じでしょうか。

今季序盤の傾向として、プレッシングと縦に速い攻め込みを組み合わせた高強度型が上位を占めています。その筆頭である神戸に対して保持型の新潟がどう戦うか、対照的なカラーの試合となりました。

結果は0-0のドロー。95分に神戸のパトリッキがゴールしましたがオフサイドで認められず。新潟のゴールキックを跳ね返した後、パトリッキが浮いているセカンドボールを頭でついて裏抜け、GKと1対1を決めるという、ある意味今季の神戸らしいシーンでした。

神戸が勝ちを逃がした試合とも言えますが、内容的にはむしろ新潟のペースだったかもしれません。8試合消化時点で首位にいる神戸ですが、その地位はまだ安泰とは言えない状況であることも感じられました。

イニエスタがいる「かつての自分」 

神戸にとって一番の問題はハイプレスがほとんどはまらなかったことでしょう。

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