西部謙司 フットボール・ラボ

Jリーグ2023年のトレンドは……「ハイプレスでは奪えない」問題。流行を先取りしているのは浦和、川崎と降格圏にいたあのクラブ【ひと足早いJ1総括】

ひと足早く今季のJ1を総括していきます。来季の展望を占う意味でも、今季のトレンドと傾向を検証して解説していきます。

広島、FC東京、浦和、鳥栖……第二新勢力の台頭

残り2節、優勝も降格も決まっていない中で何ですが、2022年のJ1をぼちぼち総括していこうと思います。来月はワールドカップですから、J1を振り返る時間があまりなさそうですし、もう今のうちからやってしまおうというわけです。とはいえ、優勝も降格もはっきりしていませんから、そのへんと関わりの薄いところから始めます()

これまで何度か言及してきました「第二勢力」についてです。また、今季のトピックスとしてはやはりこれなのだろうとも思いますし。

第二勢力というのは勝手にそう呼んでいるだけです。横浜F・マリノス、川崎フロンターレの二強に迫るグループですね。サンフレッチェ広島、FC東京、浦和レッズ、サガン鳥栖あたりです。順位的にはセレッソ大阪、柏レイソル、鹿島アントラーズも追撃勢力なのですが、戦術的な方向性が違うかなということで今回は第二勢力に含めません。

横浜FMと川崎はボール支配と敵陣でのハイプレスを組み合わせたプレースタイルのチームです。川崎はちょっと違ってきたかなとも思いますが、いちおう指向性は同じということにします。ヨーロッパの5大リーグでも優勝するのはおよそこのタイプですから、現代サッカーの王道といってでしょう。横浜FMと川崎が優勝争いを演じたのは納得ではあります。では、第二勢力とはどんなプレースタイルなのか。

ボール支配力が高く、ハイプレスがメインということでは二強と似ていますが、それぞれ濃淡があります。最終的には横浜FM、川崎に似たスタイルに落ち着く感じもするので第二勢力というわけですが、現時点では狙っているものが少し違うかなとも思います。そのへん少しまとめてみたいと思います。

ハイプレス+縦に速い攻撃の広島、湘南、京都のスタイルは主流にはならない? トレンドを先取りしているのは下位に沈んでいたあのクラブ

広島はハイプレスと縦に速い攻撃という現代サッカーの1つのトレンド、とくにブンデスリーガにみられるスタイルを志向していると思われます。また、Jリーグの戦術的な流れからいっても必然性があると思います。

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