西部謙司 フットボール・ラボ

サガン鳥栖は個人技も凄いんです。キックが「まとまって」いる本田風智と宮代大聖の圧巻の技術力

今週の週刊鳥栖ラボは鹿島戦。鹿島相手に優勢に試合を進めながらも勝ち切れなかった鳥栖。ポイントはどこにあったのか? 本田、宮代などの個人技にも着目しつつ試合を振り返ります。

主導権の目安となったハイプレスの効き具合 

宮代大聖が見事な個人技から先制しましたが、カイキのヘディングで追いつかれ、第30節の鹿島アントラーズ戦は1-1のドローとなりました。

立ち上がりはやや鹿島のペースでしたが、宮代の先制点の少し前から鳥栖の攻勢となっていました。後半も60分あたりまでは鳥栖のリズムでしたが、鹿島がそこから盛り返しています。トータルでは鳥栖の時間帯が少し長かったと思いますが、だいたい互角という感じだったので引き分けは妥当でしょう。

この試合は、どちらのペースなのかのモノサシがはっきりしていて、敵陣でのプレスが効いているほうが優勢でした。そのへんを中心に振り返ってみます。

愚直に鹿島を追い込むも…勝ちきれなかったポイントはどこにあったのか?

鹿島は中盤を菱形に組む4-3-1-2で、トップ下に負傷から回復した荒木遼太郎が入っています。これに対して鳥栖は3-5-2というか3-1-4-2のフォーメーションです。マッチアップ的にはこんな感じ。(図1)

鳥栖とすればバッチリ噛み合わせて前から奪いに行くぞという形なのですが、序盤はピトゥカがいわゆるサリーダ・ラボルピアーナをやって、鳥栖のハイプレスを上手くいなします。(図2)

鳥栖が捕まえ切れない感じになったところで、鹿島は前進したSBへ大きなサイドチェンジのパスを振って攻め込むという形が何回かできていました。しかし、鳥栖もめげずにプレスし続けたことで流れが変わってきます。

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