西部謙司 フットボール・ラボ

不思議な不思議な0-3。「70分の壁」問題を浮き彫りにしたセレッソと広島のハイプレス合戦

横浜F・マリノスと川崎フロンターレを追随するセレッソ大阪とサンフレッチェ広島の第二勢力対決は内容以上のスコア差がつく決着となった。ハイプレス同士の対決が示唆したのは世界的にも共通する「70分の壁」問題だった。

セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島なぜ内容以上のスコア差になったのか? 

27節の第二勢力対決、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島は0-3、アウェイの広島がスコアのうえでは完勝しています。しかし、内容的にはC大阪も互角以上のプレーをしていました。

この2チームは横浜F・マリノス、川崎フロンターレに次ぐグループです。ハイプレスと早い攻め込みというプレースタイルも似ています。伸び率でいえば、トップ2をしのぐといっていいでしょう。内容以上のスコア差になったのは、この2チームのプレースタイルが関係していたと思います。試合の流れによっては、もしかしたら逆のスコアになった可能性もあったのではないかと。そのあたりをポイントとして振り返ってみます。

THIS IS 70分の壁。C大阪と広島が挑むハイプレスチームの宿命 

C大阪は4-4-2、広島は3-4-2-1とフォーメーションは違いますが、敵陣からプレスにいく守備は共通しています。

C大阪のほうは加藤陸次樹と上門知樹の2トップのチェイシングが速く精力的。全体にポジションにつくのが速く、運動量と強度がある。形としてはオーソドックスな4-4-2ですが、精度と強度を高めることで効果が全然違うのだなと思わせてくれるチームですね。

広島は2シャドーの満田誠、森島司のプレスと運動量が凄い。ベンカリファはそこまで守備では動かないので、全員で守るC大阪と比べると単純に人手が1人少なく、最終ラインはマンマーク対応に近くなります。ただ、ご存知の野上結貴、荒木隼人、佐々木翔の3バックが強力なので大きな破綻はありません。

序盤はハイプレスの仕掛け合いになりました。

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