西部謙司 フットボール・ラボ

【特別コラム】サッカーは「変わる」のではなく「変える」。信念の人アンジェ・ポステコグルーが教えてくれたこと

横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督の退任が発表された。彼が残したものは何なのか? 落ち着いて、その功績について振り返ってみたい。

優勝よりも尊い? ポステコグルー監督の真の功績 

横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督が退任、スコットランドのセルティックの監督に就任するそうです。

セルティックといえば、かつて中村俊輔が在籍して伝説的なプレーの数々を披露したクラブですが、欧州サッカー界の老舗ともいえる名門です。

196667シーズンのチャンピオンズリーグに優勝しています。このときのセルティックはほぼ全員がグラスゴーから30マイル以内で生まれたという顔見知りチームでした。英国初のヨーロッパチャンピオン、後にも先にもスコットランド唯一のファイナリスト。背中に何もなくてパンツにでかい尻番号。カテナチオの象徴だったインテルに逆転勝ち。リーグ、カップ、チャンピオンズカップとエントリーしたすべての大会に優勝というスーパーチームでもありました。

その後はヨーロッパのトップクラブではなくなりましたが、やっぱり名門中の名門なんですよ。なんで、スコットランドリーグ? と思うファンもいるかもしれませんが、英語圏の出身者には、ちょっと断れないオファーだったのではないでしょうか。

ポステコグルー監督はJリーグにポジショナル・プレーを持ち込んだ先駆者でした。まあ、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督という先駆中の先駆もおりますが、横浜FMの改革を断行してリーグ優勝ももたらしましたから大成功といっていいでしょう。

戦術面の貢献も大きいとはいえ、ポステコグルー監督の凄いところは信念を曲げないところですね。

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