森マガ

「本当にこれでいいのかJリーグ!!」とクラクラしたキックオフカンファレンス

本日、Jリーグのキックオフカンファレンスが開催されました。年によって「キックオフカンファレンス」と呼ばれたり「プレスカンファレンス」と呼んだりするのは、プレス以外にスポンサー関係の人と会合を持つことがあるときは「キックオフカンファレンス」、プレスのみのときは「プレスカンファレンス」と使い分けられています。

まだコロナの影響があります。だからいろいろ配慮しなければいけないのでしょう。そんな事情は分かったにしても、ちょっとこのカンファレンスにはクラクラ来ました。

会場内に机を置けるスペースが少なくて、そこには新聞社や通信社や地方紙の人が座り、フリーランスの席はほぼないというのは、まぁ裏側の話です。そのステージ前に座れなかった人たちの席からはステージが見られないので、何となく疎外された気分になっても、それも裏側。

その後の各対戦カードごとの記者会見がガランとした会場で開催されて、後ろはステージをチラチラ見ながら原稿を打っている、つまりあまり会見に参加していない人がいてちょっと登壇した監督や選手がかわいそう、というのも裏側の出来事。またカンファレンスがJ1に限定されていて、J2やJ3のことは全然分からないというのも、それもバックヤードの話と言えるでしょう。

 

でも肝心の「出し物」はどうだったのか。まず今年のシチュエーションを考えてみましょう。

・Jリーグ30周年(ロゴマークにはJ30と入ってます)

・新型コロナウイルスの影響から脱却する年

・観客がフルで入って声援を出していい年

・ワールドカップの熱狂をつなげたい年

 

こういう状況で、芸人さんが出てきて、その人を口説くという体で選手が自分の特長を言っていくという構成は何なのでしょう。たしかにそういう構図はテレビや映像媒体としては使いやすいのかもしれません。そしてもちろん芸人さんは何も悪くないと思います。ただ、ステージの上の主役は選手ではありませんでした。

もしそういう柔らかいものをやりたいんだったら、せめて2部構成にしてほしかったと思います。たとえば最初はJリーグ30年の中の栄光から苦難を振り返り、特にこのコロナの影響の部分を厚めにして、そこに登壇した選手たちの歴史を重ね、ワールドカップの熱狂をつなげて、そこから今年の意義を野々村チェアマンに語ってもらうとか。

そして固い雰囲気から一転して明るく芸人さんたちが出てくるコーナーにつなげてくれればよかったんじゃないのかなと。で、J2やJ3はせめてオンラインで繋がるコーナーを作ってそこで質問させてもらうとか。

コロナ前は各チームのブースが出て、そこで多くの人が監督や選手に群がって話を聞いていたので必然的に熱気が生まれたのですが、最後は閑散とした感じで各対戦カードの質問コーナーが終わり、はたしてこれでどれだけの熱を伝えられるのか非常に疑問が残りました。各テレビ局のブースはたっぷりのスペースで設置してありましたので、独自取材できたテレビの露出は増えるのかもしれません。

ただ、昔からJリーグにいるスタッフさんには僕が席を探してウロウロしていたことが伝わり、お一人からはその場で、もう1人の方からは後で電話で「申し訳ない」と言っていただきました。そういう気遣いはさすがと感じましたが、イベントそのものに対しては「本当にこれでいいのかJリーグ!!」とフンマンヤルカタなく、やっぱり「4年後じゃない、2カ月後だ」という素晴らしい映像を作った人たちに、今シーズン中ずっと流せるようなフィルムを出してほしかったと思って終わったのでした。

(残り 280文字/全文: 1752文字)

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