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ちふれASエルフェン埼玉 奪う守備と時短攻撃で初勝利 園田悠奈選手、吉田莉胡選手の鮮やか先制弾(無料記事)

2023−24 WEリーグカップ グループステージ 第2節でちふれASエルフェン埼玉が2−0と初勝利。今シーズンのホームゲーム初戦で大宮アルディージャVENTUSを下しました。アルビレックス新潟レディースから加入した園田悠奈選手が吉田莉胡選手、祐村ひかる選手と見事な連携。時間をかけずに一気にゴール前に迫る迫力ある攻撃を披露しました。

10分の先制点は園田選手が、この試合、初めてのチャンスをモノにしました。得意の胸トラップから前にボールを運んだ吉田選手のクロスに走り込んでゲット。ディフェンスから離れる動きでフリーになる園田選手の美しい走りで勝負ありでした。逆に、立ち上がりからずっとちふれASエルフェン埼玉陣に押し込んで試合を運んでいた大宮アルディージャVENTUSにとっては痛恨の失点となりました。

大宮アルディージャVENTUSは、メンバーを大きく入れ替えたスターティングメンバーを起用しましたが、前節同様にスピーディーなサイド攻撃を繰り広げました。戦術がチーム全体に浸透していることをうかがわせます。特に目立ったのは吉谷茜音選手。タイミングよくディフェンスラインの裏に飛び出しチャンスを創りました。ただ、中盤の中央には大黒柱の林みのり選手が不在で攻撃が単調になると、徐々に、ちふれASエルフェン埼玉が主導権を握っていきました。

強度の高い守備に苦しんだ北川愛莉選手 写真提供:WEリーグ TOP画像も

ちふれASエルフェン埼玉は、昨シーズンと同様に一対一で奪いにいく守備が健在。昨シーズンとの違いは、奪ってからの仕掛けの速さです。手数をかけない攻撃を繰り返し、見せ場を作りました。時折入るワンタッチのパスがリズムを変化させスタンドが湧きます。2得点目は80分にフリーキックからオウンゴールを誘いました。キッカーは瀬戸口梢選手。瀬戸口選手、吉田選手という「決め手」はちふれASエルフェン埼玉の強みです。そして、アジア競技大会(2022/杭州)日本女子代表に選ばれたゴールキーパーの浅野菜摘選手が安定したプレーで完封しました。

両チームともに縦への仕掛けが多く素早く、随所に攻防が発生する油断できない一戦となりました。昨シーズンまで上位を独占してきた三菱重工浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサ、日テレ・東京ヴェルディベレーザの三強も、うかうかしていられないシーズンとなるかもしれません。

(2023年9月2日 石井和裕)

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