自信を持って代表に行ける選手になりたい WEリーグ後半戦での巻き返しを誓う北川ひかる選手(新潟L)
アルビレックス新潟レディースは2021−22 Yogibo WEリーグの前半戦を2勝5敗2分けの9位で折り返しました。2021WEリーグプレシーズンマッチを3勝1敗で終え、前評判が高かっただけに、ファン・サポーターの落胆は大きかったかもしれません。
ただ、9位が実力通りの順位かというと、必ずしもそうとはいえません。
2021年8月28日に、アルビレックス新潟レディースの選手4人が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、陽性判定者4人を除く21選手と、スタッフ7人が濃厚接触者と判定されました。大切な9月12日のWEリーグ開幕直前にチームが活動をほぼ休止するという不運があったのです。開幕戦は、筆者の目には、コンデション調整不足に感じられました。
今回のインタビュー取材は、2021−22 WEリーグ オールスターを選ぼう by #女子サカマガ 投票で得票率1位を獲得した北川ひかる選手に、巻き返しを図る後半戦についてうかがいます。
—得票率第1位おめでとうございます。何が票を集めたのか、心当たりはありますか?
北川—まずは、私に投票して下さってありがとうございます。正直、1位になったことに驚きました。自分としては、得点に繋がったクロスや攻撃的なシーンが自分の持ち味だと思っています。そういうところで何か(ファン・サポーターの皆さんに)伝わったのかもしれません。見ている方々には何かを伝えたいという思いでいつもプレーしていますし、そこから勇気や感動を感じてもらえるように、これからより頑張っていきたいと思います。
今は「思い切ってやっていこうよ」という気持ちでやれている
—リーグ戦の前半を振り返っていかがですか。
北川—厳しい前半戦でした。WEリーグの一年目ということで、やらなければならないことはわかっていたのですが、なかなか結果を出せないこともあり、かなり苦しみました。前半戦終盤となり、徐々に良い方向に進んできたことを感じました。
—どのようなところから良い方向に進んできたことを感じましたか。
北川—守備の連携の部分です。サポーターの多くは「アルビは守備が固い」というイメージをお持ちだと思いますが、前半戦では、それをなかなか出すことができませんでした。シーズン途中から、守備の共通理解が深まってきました。
—プレシーズンマッチは順調に感じられました。一旦は引く守備と前から奪いに行く守備の使い分けを監督がおっしゃっていました。それが、WEリーグ開幕後に上手く進まなかったのは、コンディション作り他、何か理由があるのでしょうか?
北川—開幕直前に活動を休止してしまったので……これは、コンディション的に仕方なかった面はあります。ですが、3節目からは、そういう問題ではなく、サッカーの面で上手くいかず試行錯誤していました。
このチームは若く、それが良い部分もあるのですが、試合で萎縮してしまったところもあると思います。でも今は、チーム内の話し合いも活発に行われ「思い切ってやっていこうよ」という気持ちでやれています。スタートダッシュに遅れてしまい、応援してくださっている方々は「大丈夫?」と心配されていると思うのですが、チームは良い方に向いていると思います。
クロスの質が高ければ決定的なシーンは作れる
—北川選手といえば、サイドから巻き込んでくるような、アーリーなタイミングからの鋭いクロスが特徴だと思います。得意なプレーにされるまでに、どのようなプロセスがありましたか?
北川—最近の試合では、アーリークロスが分析されていて、なかなか上手くいかないことも多かったです。もっとレパートリーを増やさなければなりません。昨シーズンは、ゴールキーパーとディフェンスラインの間にアーリーでボールを落とすことがあまりできていなくて、ボールを持ち込んでいってから上げるクロスが多かったです。今シーズンは、道上(彩花)選手が加入したことが、自分の中では大きいです。ヘディングが強い選手なので、良いところに上げれば決めてくれます。それを意識して、アーリーのタイミングのクロスを、また入れられるようになりました。
今までは「誰に上げるか」というクロスだったのですが、今は「場所を目掛けて」クロスを入れれば、突っ込んできてくれる選手がいます。道上選手をはじめ、(石淵)萌実、児野楓香が入ってくるので、あとは、自分のクロスの精度次第です。チームとして、狙う場所が決まってきているので、入れるクロスの質が高ければ決定的なシーンになります。
—大宮アルディージャVENTUS戦で得点につながったクロスは、軸足を踏み込むだけではなく、全身でボールに体重を乗せて曲げていくようなフォームに見えました。早くて低いボールを曲げて入れることについては、何か独自のトレーニング等はありましたか?
北川—巻いて蹴るクロスは、何年か前から意識してやっています。(大宮アルディージャVENTUS戦のような)フォームは、特に意識をしていません。道上選手のいる、あの場所に蹴るために、ボールの回転が必要だったので身体が勝手に反応しました。ああいうプレーをもっと磨いて「このクロスは絶対に負けない」と言えるように努力していきたいと思っています。
勝ち続けて結果を出してなでしこジャパン(日本女子代表)へ
—ここまでの歩みは順調でしたか?
北川—今シーズンも昨シーズンも出場し続けています。ただ、もっと上を目指したいです。2021年10月に、なでしこジャパン(日本女子代表)の候補合宿には呼ばれましたが、そこから先に進めていません。
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