西部謙司 フットボール・ラボ

変わらぬカラー、変わらぬ芯の強さ、変わらぬサガ。だから鳥栖のサッカーは美しい【鳥栖ラボ】

監督も代わり、メンバーも大半が入れ替わり、それでも鳥栖は鳥栖であり続けた。そこにある宿命のような課題=性(さが)もまた変わらずあり続ける。他クラブのように大胆な補強という手は使えない。いかにしてこの難題を乗り越えるのか? 今週の週刊鳥栖ラボは名古屋戦から見えたものをレポートする。

改めて「変わらぬ課題」が浮き彫りになった試合 

25節の名古屋グランパス戦は0-0でした。全体的には互角かやや鳥栖が優勢という感じでしたが、名古屋も決定機がありましたし、名古屋が勝利していても不思議ではなかったと思います。

鳥栖はこのところの流れを踏襲して4-2-3-1を継続。メンバーと交代の仕方もおよそ定番化してきました。開幕時から少しメンバーも代わり、それにともなってシステムの変更もありましたが、プレー自体はほぼ変わっていません。

今季は監督が代わり、選手も大幅に入れ替わってスタートしたにもかかわらず、鳥栖のカラーは継続されていました。クラブとしての足腰の強さを感じさせる部分ですね。一方で、課題もずっと変わらない気もします。一朝一夕に解決できるものではないですが、なかなか難しいものがあります。

一番の課題はチャンスメークだと思います。フィニッシュそのものというより、その1つ前のラストパスとさらにその1つ前ですかね。

ボールは運べますし、チャンスも作れているのですが、少し質量ともに足りない感じはありますね。解決されたように見えた試合もいくつかありましたが、完全に克服したとはまだいえない。名古屋戦はそれが表れていた試合という印象でした。

「個」と「スペース」以外にある鳥栖のびしろ 

最初の大きなチャンスは15分でした。

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