西部謙司 フットボール・ラボ

圧巻のゴールラッシュを生んだフロンターレのえぐい崩し方。川崎名物「相手の逆をとる攻撃」は丁寧さの結晶である【月刊「川崎フロンターレ」vol.4】

西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。7月は川崎フロンターレを大特集です。第四回目は横浜FC戦にフォーカスです。

MOMは巧みな間合いと読みで対面の相手を止めまくった登里

  第5節の横浜FC戦は5-1、強いです。

ただ、途中までは横浜FCかなり健闘していました。前半はしっかりビルドアップして、川崎のハイプレスに引っかかっていませんでした。ただ、逆に川崎のビルドアップを阻止するのは難しく、20分前後から川崎が押し込み、横浜FCは5バック化しています。

横浜FCは前節対戦した仙台が4-3-3だったので、いい予行演習になっていたのかもしれませんね。攻守に一歩も引かずに頑張りましたが、28分に川崎が脇坂泰斗のゴールで先制します。

後半に入って再び横浜FCのペースになり、59分に執拗なキープからのクロスを松尾佑介がシュート、これが田代真一に当たってゴールイン。1-1に追いつきました。セットプレーの流れでCB星キョーワンがゴール前にいたので、左サイドから何度もクロスを入れようと伺い続け、粘って最終的にファーへ上げたのを星が折り返して得点につながっています。

ただ、ここからが川崎らしさ。レアンドロ・ダミアン→小林悠、長谷川竜也→三苫で攻撃のギアを上げました。交代で出てくる選手がえぐいです。三苫のドリブルからPKを得て、小林が決めて2-1。さらにCKを車屋紳太郎が打点の高いヘディング、ハンドを誘って再びPK。今度は家長昭博が決めて3-1。さらに小林、谷口彰悟が加点して終わってみれば大量5ゴールでした。

「相手の逆をとる攻撃」はJリーグ随一の質。家長、脇坂、下田の3人が見事に連動した象徴的なシーン 

今回は今季の川崎らしいワンシーンをとりあげてみます。88分、家長を中心に右サイドを崩しきった場面になります。

(残り 1315文字/全文: 2154文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ