ダメージは世界一か。欧州組を消耗させる非今日的な日本代表強化策
写真:Shigeki SUGIYAMA
カナダ戦(13日)、チュニジア戦(17日)に臨む日本代表メンバーから三笘薫が外れた。欧州カップ戦に出場しているいわばエリート級を、重要度の低い試合に毎度、招集するのはナンセンス。2026年W杯本大会でベスト8を狙おうとした時、有効な代表強化とは言えない。とりわけブライトンで出ずっぱりの三笘は安易に招集するべきではないと記した直後の話だった。
不参加の理由は体調不良。サッカー協会からの通知にはそう書かれていたが、それはあくまで表向きの理由だろう。最後にプレーしたリバプール戦でも三笘はフル出場している。脚色は終盤まで衰えなかった。体調が悪そうにはまったく見えなかった。所属チームの日程と勘案した結果、辞退した。これが真相だろう。
鎌田大地(ラツィオ)、堂安律(フライブルグ)の招集が見送られた理由も体調不良とのことだったが、三笘と同様の理由だろう。それぞれが所属するラツィオ、フライブルグ、ブライトンは、いずれも欧州カップ戦に出場中だ。日本サッカー協会側がその厳しい日程に配慮したか、所属クラブが逆に協会にお願いしたか、本人の希望かのいずれかだろう。
体調不良と言えば仕方なく聞こえるが、辞退あるいは拒否となれば波風は立つ。ネット社会を刺激することになる。怪我や故障ならば負傷箇所を示す必要があるが、体調不良にその必要はない。カバーエリアの広い不思議な力を持つ日本語である。体調不良の選手は今後、増えそうである。
欧州カップ戦出場組という多忙を極める日本人選手はここに来てグッと増えた。今回招集したメンバーでは9人。三笘、鎌田、堂安を含めれば12人を数える。簡単に招集しにくい選手たちが増えている。代表強化にとって新たな局面を迎えている。ここまで駒(選手)の質が急激に上昇する国も珍しい。
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