サッカー番長 杉山茂樹が行く

マンCはイングランド代表より強い。横浜FM、川崎は森保Jより弱い。日本サッカーが沈滞する理由

写真:Shigeki SUGIYAMA

横浜F・マリノス対セルティックを皮切りに、Jリーグの各チームと欧州のビッグクラブとの対戦が始まる。酷暑と猛烈な湿気の中で彼らがどれほど全力で戦うか定かではないが、Jリーグの世界的なレベルを推し量る上で興味深い試合であることは確かである。

昨季UEFAランク9位のスコットランドリーグを制したセルティックと、昨季のJリーグ覇者である横浜FMの戦いを眺めれば、JリーグがUEFAに加盟すればどんな立ち位置になるか、おぼろげながら見えてくる。Jリーグ同士の戦いでは見えないものが浮き彫りになるわけだ。

そうした意味では、横浜FMが次に戦う欧州覇者兼UEFAランク1位のイングランド覇者という圧倒的強者、マンチェスター・シティとの一戦より効果的だ。

セルティックには、昨季の横浜FMの優勝に貢献し、年間最優秀選手賞に輝いた岩田智輝もいる。つまり相対的に捉えやすい相手と言える。

横浜FMがポステコグルー監督の下で優勝したのは2019年シーズンだが、筆者は、その強さに加え、魅力的なサッカーを眺めながら、時の日本代表=森保ジャパンと戦わせてみたい、勝てるのではないかと想像を巡らしたものだ。

同じことは2018シーズンあたりの川崎フロンターレにも言えた。強くて、魅力的だったからだ。

スコットランドリーグが欧州9位ならJリーグは何位なのか。そのレベルは闇だ。筆者はその少し後、10位(オーストリア)、11位(セルビア)、12位(トルコ)あたりではないかと推測するが、それはともかく、見えにくいものを炙り出そうとすれば、わかりやすい基準に照らしてみたくなる。

Jリーグで言えば、かつてのジュビロ磐田もそうした好奇心を抱かせる対象だった。1997年以降の数年間の話だが、時の日本代表より強いのではないかと囁かれたものだ。1997年、日本代表(加茂ジャパン)とJリーグの外国人選抜というあり得ない対戦が(JOMOカップ)実現したことも輪を掛けた。当時のJリーグで最強だった磐田と日本代表が対戦したならどうなるか。関心を抱くファンは少なからずいた。

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