ボール支配率は、なぜ上がらないのか。見えてきた森保ジャパンの特性
写真:岸本勉/PICSPORT
ベネズエラとキルギス。その前に戦ったウルグアイとの差は著しかった。ベネズエラは2010年、2014年に続く来日。コンスタントに遠路はるばる日本まで、アウェー戦に訪れてくれるありがたい存在ながら、今回のチームの力は4年前、8年前のチームに劣っていた。
ベネズエラと言えば南米10ヶ国の中で唯一W杯本大会に駒を進めたことがない実績に乏しい国。毎度最下位候補ながら、2010年南アW杯南米予選では8位。2014年ブラジルW杯南米予選では6位と健闘したが、直近のロシアW杯南米予選では定位置の最下位に終わっている。
ただしFIFAランキングは29位で、日本(50位)より上だ。昨年のU-21W杯でも準優勝を飾ったが、だからといってベネズエラを格上と称し、リスペクトするのはどうかと思う。日本のテレビの話だが、アナ氏が読み上げる「格上ベネズエラと引き分け!」とのニュース原稿を耳にすると、いまだ無理な盛り上げをしなければ、世の中がうまく回らないサッカー界の実情を見るようで悲しくなる。
続くキルギスも、アジアカップのグループリーグで対戦するトルクメニスタン、ウズベキスタンの仮想敵国とされていた。これまた無理を感じずにはいられない宣伝文句である。
実際、キルギスは思い切り弱かった。FKで2-0とするゴールを叩き出した原口元気が、直後に見せた表情にすべては集約されていた。難しくないそのシュートを相手GKが後逸。まさに喜べないゴールとなった。
レベル的にはW杯アジア予選の最初のラウンドで対戦するチームと同じぐらい。前回で言えばアフガニスタン。前々回で言えばタジキスタンとなるが、これらの対戦はあくまでも組み合わせ抽選によるものだ。意図的に組まれた親善試合の相手となると、いつ以来の対戦になるか。日本代表の取材経験が長いこちらだが、これほど弱い相手はちょっと記憶にない。親善試合をテストマッチとスマートに呼ぼうとすると、なおさら痛々しく感じる。
(残り 2049文字/全文: 2876文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ