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自陣誘引&敵陣奪還型大分トリニータvs明確な役割分担型ベガルタ仙台│J2開幕節プレビュー

今回は「J2」開幕節のプレビュー|大分トリニータvsベガルタ仙台をお送りします!

開幕戦となりますが、今季から両チーム監督が変わっていることがまずポイント。大分は復帰という形で片野坂知宏監督、仙台は昨年まで長らく世代別代表の監督を歴任されてきた森山佳郎監督が今季から手腕をふるいます。

昨年からのデータに基づいた復習→予習といった形で、両チームがどう今季を戦っていくのか分析した記事は上がっているので、以下の記事をご覧ください!

大分トリニータの新カタノサッカーは自陣誘引疑似カウンターか、圧縮封鎖を強めるか。片野坂知宏の二軸戦術×二軸世代チャレンジ

開幕戦だけでなく後半戦以降の伸びを意識した森山佳郎・ベガルタ仙台のプレッシングスピリッツ│昨季弱点データを好転させる盤面変化と心の戦い

ということで今日は、両者が対峙したときにどのような試合展開になるのか、攻守4局面に分けた現象をプレビューという形で記事にしていきたいと思います!

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◎【大分攻撃編】自陣保持×仙台敵陣圧縮時の現象

・大分は自陣に引き込みたい

2021年まで大分を率いていた片野坂第一次体制の戦術を踏襲すると考えれば、大分が自陣でボールを保持しているときは「相手を自陣側に引き込む」というのが狙いだと考えられます。仙台の選手たちにプレスを掛けさせて、まず自陣に出来るだけ両チームの選手を集める。ある程度食いついてきたら、そこからロングボールを蹴って「擬似カウンター」を繰り出し、敵陣の空いた奥深くのスペースを攻撃を仕掛けるという狙いがあると思われます。

・仙台はそこまで食いつかないのではないか

一方で仙台の森山監督は、片野坂監督が軸にしてきた「食いつかせる狙い」を把握しているのでは?と感じています。仙台は4-4-2の布陣が予想されますが、チーム全体でプレスにいかず、前線のFWやSH+ボランチ1枚くらいを適度な形で追いかけさせて、DFの選手は上がらずに擬似カウンターを阻止して守り切るような形で臨むのではと思います。

 

◎【大分攻撃編】敵陣前進×仙台自陣撤退時の現象

・大分はロングとショートの疑似カウンターが主体

片野坂監督の自陣まで引き込んだロングカウンターが一つの軸に挙げられる一方で、昨年に続いて大分に在籍した選手も多く、選手たちの特色を考えると必ずしも自陣から発進するのではなく、敵陣に押し込んだタイミングは素早く奪ってショートカウンターという攻撃も見せてくれるかもしれません(ハイプレスのデータ値が高いというのも以前の大分の記事参照)。自陣に引き込むと見せかけて、前線で奪うというアクションにも期待していきましょう。

森山監督の守備時の戦術を見ると、5レーンそれぞれに選手を配置するのではなく、真ん中の3レーンに4-4-2の選手たちをキュッとはめこむ性質があるので、大分としては左ウイングの鮎川峻選手や途中交代してくる梅崎司選手あたりがクオリティを発揮できるかどうかが重要に。キャンプの情報を見る限り、本来CF型である渡邉新太選手を右WGに配置していることから、軸になる左からの突破に合わせて相手のゴール前に入り、FWの伊佐耕平選手と共にフォワードらしい動きを見せるフィニッシュ局面が見られそうです。

・仙台はコンパクトな守備の徹底

大外を空けても中央でしっかりと対応すればいいというのが森山仙台の守備の考え方だとすると、外側にいるSBの真瀬拓海選手や内田裕斗選手がドリブルでの侵入を食い止めることが出来るか、もしくはクロスを上げさせてもCBの菅田真啓・モラエス両選手が跳ね返してマイボールにすることが出来れば仙台の守備は完成、という形になるかと思われます。焦らずどっしりと構える守備が仙台の持ち味になってくるのではないでしょうか。

 

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