8月開幕 U-20女子ワールドカップで世界と戦い、将来はバロンドールを目指す 小山史乃観選手(セレッソ大阪堺レディース)
日本サッカー協会は、2022年8月10日から始まるFIFAU-20女子ワールドカップの連覇を目指し最終メンバー21人を発表しました。多くのWEリーグ経験者を含む選手構成となりましたが、その中に、2022プレナスなでしこリーグ1部を戦う選手が3名含まれていました。今回は、その中の一人、セレッソ大阪堺レディースで10番を背負いプレーしている小山史乃観選手にお話をお聞きしました。
小山選手はなでしこリーグ選手登録から5年。当初はディフェンダー登録をされていましたが、2021プレナスなでしこリーグ1部のシーズン途中でフォワード起用へ。9得点しベストイレブンに選ばれました。その表彰式で、将来の目標を質問された小山選手が「バロンドール」と答え、周囲を驚かせた衝撃は今も記憶に新しいです。

ベストイレブンに選ばれたプレナスなでしこリーグ2021表彰式
今回のインタビューは終始笑顔で和やかに進みました。この末恐ろしい才能を有した17歳の選手に「10番の自覚について」質問してみると笑って軽くはぐらかされました。しかし、あのとき「バロンドール」と答えた自身の掲げる目標については、あらためて明確な回答をしてくれました。
今シーズンはU-20日本女子代表合宿が何度かあり、小山選手はセレッソ大阪堺レディースの試合にコンスタントに出場することができていません。それだけに、出場できたときに自分のプレーを披露することを意識していると言います。ナチュラルにサッカーが大好きで、自らに常に課題を設け向上心に満ち溢れている小山選手の、世界と戦う直前の意気込みをご覧ください。
自ら設けた課題をクリアしてきた
小山–周りの人から見たら(ここまでの歩みは)順調に見えると思います。でも、周りの人が感じるほど順調に進んできたわけではありません。それでも、掲げた目標には着実に向かっていると思います。
—目標に向かって進めていくコツはありますか?
小山– 練習ですね。自分はまず課題を決めます。それをできるようになるまで練習します。
—セレッソ大阪堺レディースの特に良いところを教えてください。
小山– まず環境が良いです。スタッフが選手一人一人に寄り添ってくれます。スタッフが選手に求めることは、選手それぞれによって違います。でも、全員のやるべき方向性は定めてくれています。若い年代から経験を積めるのが、特に良いところだと思います。

セレッソ大阪堺レディースの背番号10を背負う
林穂之香選手の背番号10を引き継ぐ
小山– 一昨年にチームで林穂之香さん(現・AIKフットボール)と一緒にプレーさせてもらいました。なでしこジャパン(日本女子代表)になる選手のすごさを練習から感じました。質の違いを見せてもらい刺激になるシーズンでした。私に試合でミスがあると、その場でアドバイスしてくれました。
—林選手の背番号10を引き継ぐときは何か意識しましたか?
小山– びっくりしました。全く(自分が10番を背負うと)予想をしていなかったので「えー!?」という感じでした。自分の実力では、そんな番号をもらえないと思っていました。
—10番を背負って2シーズン目になります。背番号10には馴染みましたか?
小山– 番号に自分を合わせるよりも、自分らしい背番号になれば良いと思っています。自分らしさは、ボールを運ぶ技術やゴールにつながるプレーをするところで出せると思っています。チームが勝つためには得点が必要です。得点するためのアイデアが自分らしさかな(笑)。
—小山選手は得点を奪うところから逆算でプレーしているように感じます。いかがですか?
小山– ポジショニングは、かなりゴールからの逆算を意識しています。去年から前のポジションになりました。それで、ゴールを意識するようになりました。監督からは「フォワードは決め切れ」とずっと言われています。去年はフォワードが得点できずに落とした試合もありました。だから、練習から、得点を奪うことを意識していかないといけないと思っています。
—セレッソ大阪堺レディースは「上手い」選手が多い印象です。でも、実際は、ただ「上手い」選手を育てるような指導を受けているわけではなさそうですね。
小山– はい。どちらかというとチームでは「怖い」選手が求められていると思います。自分は……まだまだですね(笑)。

状況を見極めてボールを運ぶドリブルは大きな武器
嬉しかったFIFAU-20女子ワールドカップの最終メンバー選出
小山– メンバーに選出されてめっちゃ嬉しかったです。世界と戦えることが一番嬉しいです。特徴である攻撃参加で自分の力を発揮できたことと、一対一の守備の粘り強さを常に合宿で出していたことが選ばれた理由だと思います。
—U-20日本女子代表ではディフェンダー登録になっていますね。
小山– 得点も意識していますが、後ろ(左サイドバック)で使われることが多いのでバランスを意識してプレーしています。世界を相手に一対一で負けないようにしたいと思います。

FIFAU-20女子ワールドカップの最終メンバーを発表する池田太監督
—池田太監督は「アグレッシブ」というキーワードで、得点を奪うこと、ボールを奪うことを指導されているようですね。
小山– ミーティングで「アグレッシブ」という単語はよく出てきます。全員の意思統一ができたチームになっています。
—グループステージの対戦相手についてイメージを教えてください。
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