西部謙司 フットボール・ラボ

衝撃のサガン鳥栖。GKがDFラインに入る「4-4-3」システムにJリーグ革命の予感

開幕戦で衝撃的だったサガン鳥栖の戦い方。これまでの常識に照らすと「蛮行」と言えなくもないシステムで、しかし広島相手にボールを握り倒した。これは偉大なる勇者たちによる冒険の始まりなのか……?

 まるで……12人いる?

フォーメーションを数字で表記するになったのは、1958年ワールドカップで優勝したブラジル代表の4-2-4からといわれています。それまではWMとか、その変形のMM、あるいはメトード、ボルトなんて呼び方でした。

オランダなどでは4-3-3を1-4-3-3と表記する場合もあるようです。最初の「1」はGKです。ただ、ルールでGKはいなければならず数も1人と決まっているので、この「1」は「要らないでしょ」とずっと思っていました。

しかし、今回はじめて「こういうこともあるからなのか」と気づきました。開幕戦のサンフレッチェ広島vsサガン鳥栖を見たら、ビルドアップのときの鳥栖のフォーメーションが4-4-3だったからです。4-4-2でも4-3-3でもなく、4-4-3です。オランダ方式で表記すると、0-4-4-3になるんでしょうか。でも、GKがいないわけではないのでゼロはおかしいか。ともあれ、人の配置は4-4-3でした。つまり、GK朴一圭が他のDFと並ぶポジションをとっていたわけです。

広島相手にボールを握りまくったDFラインにGKが入る衝撃のシステム は冒険の始まり

鳥栖の4-4-3ビルドアップはこんな感じ。(図1)

GK朴が当たり前のようにフィールドプレーヤー化しています。今季の広島はミヒャエル・スキッベ新監督の下(といってもまだ来日できていませんが)、ドイツ方式のハイプレス志向と聞いていますが、前から行ってもボールを奪えませんでした。序盤は雪が残っているフィールドの状態だったので落ち着きませんでしたが、30分すぎたぐらいから前から行っても全然ハマらなくなり、やむなく撤退となっています。

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