西部謙司 フットボール・ラボ

名古屋グランパスにみる堅守の作り方。「超攻撃」から「守備第一」に全フリして結果を残せてしまうのはなぜ?

クラブ史上稀に見る堅牢な名古屋城が築かれつつある。ルヴァンカップを制し、リーグ戦でもリーグ2位の堅守を誇るチームの土台にあるのは何なのか? 深層を探ってみた。

全然違うスタイルで結果を残せることがまず凄い 

名古屋グランパスがルヴァンカップに優勝しました。これでクラブとしてリーグ、天皇杯、リーグカップ(ルヴァン杯)と国内タイトルをコンプリートしたことになります。あとはACLなんですけど、準々決勝で負けているので来季以降への持ち越しですね。

決勝はセレッソ大阪に2-0。持ち前の堅守による勝利といっていいでしょう。J1でも33試合を終えた時点で26失点。川崎フロンターレ(21失点)に次ぐ失点の少なさです。失点20点台はこの2チームだけです。

名古屋が堅守のチームになったのは、現在のマッシモ・フィッカデンティ監督になってからです。ざっくりいえばここ2年ですね。前任の風間八宏監督のときは「攻撃は最大の防御」でしたが、フィッカデンティ監督はまずは守備からと方向性が真逆になっています。

前監督のときからの選手も残っていた、GKランゲラック、DF中谷進之介、吉田豊、宮原和也、FW前田直輝、相馬勇紀、マテウスの7人がルヴァンカップ決勝で先発しています。現監督になってからの選手はキム・ミンテ、稲垣祥、木本恭生、柿谷曜一朗の4人。キム・ミンテのところは丸山祐市がいればプレーしていたでしょうから、メンバーががらっと変わったわけではないんですね。

それにしては守備がやたら強くなった。もちろんプレースタイルが違うわけですが、同じ選手で全然違うスタイルで戦って効果が出ていること自体が凄いと思います。

それにしてもマテウスと相馬の能力は格別ですね 

フィッカデンティ監督になってから加入した稲垣はキーマンですね。

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