欧州トップとJリーグの戦術差がなくなりつつあると感じたのはサガン鳥栖とチェルシーの戦術がソックリなのが「偶然の一致」ではないと気付いたからだった……【Jラボ夜話】
ヘウレーカ! 欧州トップとJリーグの戦術差がなくなりつつある――そう気づいたのはあるプレミアリーグの試合を見ていたときだった。早晩「Jリーグは遅れている」という声が聞かれなくなる日もくるのかもしれない、そんなことを考えた秋月の夜だった。
欧州王者の戦いに見たサガン鳥栖の残像
プレミアリーグ第5節のトッテナム・ホットスパー対チェルシーを見ていまして、「あ、これ鳥栖のやつじゃん」と思いました。何かと言うと、チェルシーの守備の作り方です。
スパーズは4-3-2-1の、いわゆるクリスマス・ツリー的なフォーメーション。一方のチェルシーは3-4-2-1です。で、スパーズの4バックに対してチェルシーは少し形を変えて対応していました。そして0-0で折り返すと、後半アタマからメイソン・マウントをエンゴロ・カンテに代えています。マウントは負傷したわけもなさそうでしたから、戦術的な交代だと思います。おそらく前半にマウントが請け負っていた守備のタスクをより明確化するとともに効果を出そうという意図でしょう。
で、そのときのチェルシーの守備の配置がこうです。(図)
ブロック別に言うと、まず最前列のロメル・ルカクとカイ・ハヴァーツのところでスパーズのCB2人を制御するとともに、2人の間隔を広げすぎずにアンカーポジションへのパスを入れにくくします。そして、この2人の斜め後方にカンテとマテオ・コヴァチッチがいて、ハーフスペースのエリアを守ります。大外はセサル・アスピリクエタとマルコス・アロンソのウイングバックが担当。中央は3バック+アンカーのジョルジーニョです。
ピラミッド型というか富士山みたいな形でエリアを埋めています。スパーズの攻撃のポイントになる2シャドーは中へ入れば3バックの両サイドがいて、外へ開けばウイングバックがいるという具合で、なかなかスペースを見つけにくくなっています。
で、これ見たときに「鳥栖と同じ」と思ったわけです。
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