西部謙司 フットボール・ラボ

ネルシーニョの術中にはまり浮きぼりになった鹿島の課題。キーワードは「攻守のつながり」【月刊鹿島アントラーズvol.3】

西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。11月は鹿島アントラーズを大特集です。特集最終回は柏レイソル戦を総括しながら、明確になった課題にフォーカスします。

徹底した鹿島対策。まさにネルシーニョのゲーム

29節、鹿島は1-4と完敗を喫しました。柏の鹿島対策が奏功し、カウンターアタックが炸裂。いってみればネルシーニョ監督のゲームだったという感じですかね。

鹿島の強みはエヴェラウド、上田綺世のヘディングですから、柏はそれを封じるために5バックにしてクロスボールを制限しています。まず相手の強みを消すのはネルシーニョ監督らしかった。ときどき裏目に出ることもありますが、さすが百戦錬磨のベテランです。今回はピタリでした。

そしてオルンガと江坂任を経由するカウンターが強力でしたね。エヴェラウド、上田の高さvsオルンガ&江坂のカウンターという勝負でしたが、回数と効果において後者が勝りました。鹿島の武器を制限した柏の作戦勝ちでもあったわけです。

なぜ柏のビルドアップを制御できなかったのか? 

鹿島は4-2-3-1、CFに上田を置いて2列目は右からファン・アラーノ、土居聖真、エヴェラウド。エヴェラウドは左からのカットインシュート、クロスボール、中央へ入ってのヘディングと通常営業。ときどき流れで土居と入れ替わります。

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