西部謙司 フットボール・ラボ

無双・川崎もアンタッチャブルではないと示した鹿島の「強さ」。来季の優勝争いはわからない【月刊鹿島アントラーズvol.2】

西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。11月は鹿島アントラーズを大特集です。特集第2回目は川崎フロンターレ戦を総括しながら、来季に期待できそうな鹿島が見せた「底力」と「意地」を解説します。

川崎の弱みを露呈させた鹿島のテクニック 

27節の川崎フロンターレ戦、1-1のドロー決着でしたが鹿島アントラーズは「強さ」を示しました。

前半に脇坂泰斗に先制されますが、76分のエヴェラウドのゴールで追いついています。内容はほぼ互角。あの川崎とがっぷり四つだったことで、改めて鹿島の底力を見た気がしました。今季はもうすぐ川崎が優勝しますが、来季はわからないと思わせる試合でしたね。

鹿島らしかったのは球際の強さ。そのため川崎にいつもほど余裕がなかった。あと一歩、半歩の寄せがありました。ただ、そのためにファウルも多く終盤に三竿健斗が退場になっています。タイムアップ寸前で影響は出ませんでしたが、もっと早い時間だったら致命傷になったかもしれません。

ポゼッション能力の高さも見せました。川崎は攻め込んでボールを失った直後の即時奪回守備は強いですが、押し込まれた形の守備はそうでもありません。鹿島が押し込んだときには、なかなかボールをとれていませんでした。これは鹿島のテクニックが優れていると同時に、川崎のメッキを剥がしたような感がありました。

相手にとって大きな脅威となった後半の2トップ

鹿島は後半からシステムを4-3-1-2に変えています。

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