マリノスに突き付けられている“現実”。プレスを強化しても代名詞のハイラインが機能しない理由とは?【月刊「横浜FM」vol.3】
西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。10月は横浜F・マリノスを大特集です。特集第3回目はセレッソ大阪戦を総括。なぜ思わぬ大差がついたのか? 代名詞であるハイラインを機能させるために必要なことは何か? 分析します。
実力伯仲のはずが…なぜセレッソ大阪に完敗したのか?
第23節、横浜FMはC大阪と対戦。堅守のC大阪に攻撃力の横浜FM、ホコタテ対決ですからがっちり嚙み合うカードのはずでした。が、ホームのC大阪がけっこうボールを握っていました。そしてスコアも4-1という意外な点差がついています。
丁寧につないで押し込んでいくC大阪は、10分に坂元達裕のピンポイントのクロスを奥埜博亮がヘディングで決めて先制します。
後半に入るとC大阪が3ゴールを連取して試合を決めました。67分、奥埜がファーポストの角度のないところからポストとGKの間を巧みについて2-0。71分には豊川雄太が後方からのロングパスを柔らかくコントロールしてループシュート、このゴラッソで3-0とします。4点目も豊川、裏へ抜け出して冷静にゲット。
横浜FMは水沼宏太が1点を返しますが4-1。スタイルは対照的ですが、実力伯仲と思われた対戦。なぜ、こうも点差が開いてしまったのでしょう。
プレスの強化だけでハイラインを成立させるのは難しいという現実
どちらもほぼベストメンバーでした。C大阪は藤田直之ではなく木本恭生がボランチですが、この起用はけっこうあります。横浜FMはチアゴ・マルチンスを欠いていました。こちらは影響が大きかったと思います。
C大阪の4ゴールのうち2点は、浅いフラットラインの裏へロブを蹴って、豊川が抜け出す形でした。このライン裏へボールを落として抜け出す形は何度もやっていて、おそらく狙っていたはずです。
横浜FMのライン裏は、だいたいどのチームも狙っていますが、今回はきれいに決まっていました。ブルーノ・メンデスを66分に豊川へ代えたのも、裏を狙えると考えていたからでしょう。
相手の狙いは横浜FMも承知しています。
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