西部謙司 フットボール・ラボ

札幌のサッカーはやはりJ1でも屈指の面白さ。駒井のDF起用に驚き変幻自在のパスワークに魅了された清水戦【月刊「北海道コンサドーレ札幌」vol.2】

西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。8月は北海道コンサドーレ札幌を大特集です。特集第2回目は負けはしたものの抜群の面白さと可能性を感じさせた清水戦の戦い方を徹底解説です。

鈴木武蔵の復帰とマンマーク継続

第9節は清水エスパルスとの対戦でした。鈴木武蔵がケガから復帰しています。

ここ2試合は荒野拓馬のゼロトップという形で、なおかつ適宜に荒野が相手のMFをマンマークするという非常に珍しいシステムを使っていたのは前回書いたとおりです。ただ、荒野のFW起用は鈴木の負傷欠場という事情もあったでしょうから、鈴木が復帰したこの試合でそれがどうなるのかにまず注目していました。

フォーメーションは鈴木を1トップにした3-4-2-1。荒野は本来のポジションであるボランチでした。ただ、マンマークは継続しています。

過去2試合では荒野が中盤に下がってマンマーク隊に加わっていましたが、この試合ではセンターの鈴木はそのままで、駒井善成のポジションを下げています。

前半は互角の展開、清水はロスタイムに金子翔太がPKを決め、札幌は1点ビハインドで後半を迎えます。

負けはしたが積極采配が裏目に出ただけ。相変わらずスケールの大きさを見せた荒野拓馬とコロンビアの名手を彷彿させる助っ人

ハーフタイムにミハイロ・ペトロヴィッチ監督が動きます。2人交代。

進藤亮佑に代えて田中駿汰、深井一希からドウグラス・オリヴェイラです。ボランチの深井をFWドウグラス・オリヴェイラに代えたので、当然フォーメーションが変わります。

図のように変更したのですが、驚いたのは駒井のDF起用ですね。3バックの右です。ミシャ監督は駒井をアンカーに起用したこともあり、マルチな能力の持ち主とみているようですがDF起用は意外でした。

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