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【ガンバ大阪~保持以上に考えるエリア回復~】相手の弱みを仮説検証&守備をするFW宇佐美貴史に入り込むボール

J1・J2・J3で今最も興味深いサッカーをするチームはどこかと問われれば、ガンバ大阪かセレッソ大阪の名前を上げる人は少なくないのではないでしょうか*
強度面ではFC町田ゼルビア、サンフレッチェ広島…
成長力では湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、FC今治…
スペクタクルさでは東京ヴェルディ、京都サンガ、いわきFC、大宮アルディージャ…
試行錯誤さでは浦和レッズ、川崎フロンターレ、大分トリニータ、ツエーゲン金沢…
どのチームも興味深さの力点に変化をつけることで注目点は顕在化するものの、90分通したサッカーの本質的要素が詰まっているのはガンバ大阪とセレッソ大阪かもしれません。

今日はその中で2024J1ガンバ大阪vsジュビロ磐田の試合から2つのシーンをピックアップし、
・ガンバ大阪がサッカーの本質をつけている理由
・ガンバ大阪の攻撃面
・ガンバ大阪の守備面
・ジュビロ磐田にとって今後必要なこと
という観点で進めていきたいと思います。

 

●ガンバ大阪vsジュビロ磐田のスターティングラインナップ


ガンバ大阪はジュビロ磐田戦から今季新加入のWGウェルトン・フェリペ選手がスタメンに入り、第4節(とはいえマリノス戦が延期だから3試合目)にして全貌が見えてきました。
GK一森純選手はビルドアップに定評があるものの、配球力の高さを下支えしているのは状況判断力。DF福岡将太選手、MF鈴木徳真選手(この日はスタメンでなかったものの)含め、このあたりから2名活用することで、ビルドアップの土台や入口・出口戦略が構造的にプレス回避の信頼度が高いラインナップとなっています。MF山田康太選手やMFダワン選手は攻撃的側面で強みを持っている選手ではあるものの、プレスやコースカット、チェイスの動きにも優れており、攻守に切れ目のないサッカーには欠かせません。そして最重要なのはFW宇佐美貴史。昨季はビルドアップへのあまりにも複数かつ複雑なタスクを課されるも、チーム成績は芳しくなく、選手としてもチームとしても難しい状況が続いてしまいました。しかし今季はどうやら状況が違うようです。その違いを中心に今日は進めてまいりましょう。

ジュビロ磐田は開幕戦から基本的にメンバー変更はなく、早稲田大で組立や散らしの心臓部でもあった植村洋斗選手がCMFではなくRSBで絶えず出続けており、中央でのオフェンスコンダクターであるMF平川怜選手が左WGに入る形を続けています。変化は第2節からMFレオ・ゴメス選手に代わってMF中村駿選手が守備的MFについた変更が起こったくらいでしょう。
第2節川崎フロンターレ戦では互いにとんでもない打ち合いを見せ、FWジャーメイン良選手の4得点もあって勝利を収めました。時として「超」のつくような攻撃性を披露してくるジュビロ磐田相手に、ガンバ大阪は何を施したのでしょうか。

●「ポゼッション」の概念が変化したガンバ大阪

まずは以下の画像をご覧ください。

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